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伝道者の書第19話わたしは日の下で労したすべての労苦を憎んだ。

(原文:第2章18、19、20)
18 わたしは日の下で労したすべての労苦を憎んだ。わたしの後に来る人にこれを 残さなければならないからである。

19 そして、その人が知者であるか、または愚者であるかは、だれが知り得よう。 そうであるのに、その人が、日の下でわたしが労し、かつ知恵を働かしてなした すべての労苦をつかさどることになるのだ。これもまた空である。

20 それでわたしはふり返ってみて、日の下でわたしが労したすべての労苦につい て、望みを失った。

どれほどの知恵、財産を得たとしても、自分が死ねば後継者に渡さなければならない。
そして、その後継者は知恵があって、しっかりと守り抜く、あるいは発展させることができれば、まだ許せる。
しかし、後継者が愚者であり、全く無駄にしてしまうこともありえる。
問題は、後継者に全て任せる以外に、自分は何もできないということ。
自分の労苦も知恵も財産、何も死んだ時点で、自分にとっては全てが空虚なのである。
それがわかった時点で、知恵、財産、そして積み上げてきた労苦全てに、希望を見出せなくなったと語る。

苦労して得た財産は後継者に使われ放題。
もちろん、わが身が得た知恵などは、死んだ時点で消え去ってしまう。
なんのために、苦労したのか、まさに望みなどない。
知恵を得るため、財を増やすため、他者への強制力を得るための労苦などは、死とともに消え去ってしまうからである。

 パウロ
「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」
(コリントの信徒への手紙二:四章18節)

心の幸福なくして、真の幸せはない。

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