笠女郎が家持に寄せる歌(4)わが形見 見つつ偲ばせ あらたまの
わが形見 見つつ偲ばせ あらたまの 年の緒長く われも思はむ
(万葉集巻4-587)
※あらたまの:年にかかる枕詞。
私の形見の品を、私と思って偲んでください。
私もいつまでも貴方を思います。
贈り物に添えての歌と思われる。
その贈り物は、おそらく衣。自分が作った衣を着て、あなたの肌につけて欲しいと願う。
そして肌につけて(私の想いも)可愛がって欲しい。
さて、この歌は、まだ家持との恋愛の初々しい時期のものされている。
「この衣を身につけて、私と思って、可愛がってください、私もずっと貴方を思っています」
実に可愛らしく、新鮮な恋が浮かんでくる。