伝道者の書第25話泣くに時があり、笑うに時があり
(原文:第3章4)
泣くに時があり、笑うに時があり、悲しむに時があり、踊るに時があり、
人間の一生を考えれば、悲劇の時期、成功の時期があると、伝道者は語る。
確かに、どんなに他人から見れば哀しい一生を送った人であっても、何も笑わなかったということは、無いと思う。
逆に、どんなに成功に満ちあふれ、笑いの連続で一生を送った人であっても、悲しいこともあっただろうし、涙を流したことだってあると思う。
人間は感情がない、道具や機械ではないのだから。
ただし、泣く、笑う、悲しむ、踊る、それぞれに、「適した時間」というものはある。
例えば、愛する人が亡くなるなどで、泣き、悲しんでいても、いつまでも、そのままではいられない。
気持ちを整理して、その後の人生をしっかりと歩まなければならない。
また笑うにしても、周囲の人の状況を考えて、「笑ってはいけない」場合もある。
同じく、「踊ってはいけない」場合もある。
それを無視した場合、当然、他者からは奇異の目で見られる、あるいは憎しみの目で見られるだろう。
これも、人間社会の真実なのである。