隣の祐君第13話祐は日本橋に到着 美咲との出会い
祐は午後4時半にアパートを出て、千歳烏山駅に、京王線から都営新宿線の九段下駅で東西線に乗り換え、日本橋駅に到着したのは、約1時間後。
何とか迷わずに日本橋に着いたので安心する。
「迷子にならないで良かった」
「乗り換えが多かったら、危なかった」
そんなことを思いながら、叔母たちが待つ日本料理店に向かう。
道は難しくなかったので、スムーズにお目当ての日本料理店が、見えて来た。
「あそこだ」
そこまでは良かった。
「店の前に、女の子が2人立っている」
「恵美ちゃんはわかる・・・でも、隣の女の子は誰?」
その祐の疑問は長続きしなかった。
店の前に立っていた恵美と知らない女の子が小走り、祐の前に来た。
恵美は、顔を真っ赤にしている。
「祐ちゃん!おめでとう!そしてお久!逢いたかったー!」
「ますます可愛い!マジで!」
祐は、照れた。
「一つ年下の恵美ちゃんに言われてもね」
恵美は、祐にむしゃぶりつく。
「これも懐かしい」
祐は、ますます照れる。
「あの・・・・こんな日本橋の都会で」
恵美は、「アハハ」と笑って、祐を解放。
「うん、私は満足したから」と言いながら、隣に立つ女の子を紹介する。
「祐ちゃん、この子が美咲ちゃん」
「美咲」と紹介された女の子は、清楚なお嬢様の雰囲気。
頬を桜色に染めて、ご挨拶。
「初めまして、祐さん、美咲と申します」
「恵美ちゃんから、何度もお話を聞いておりまして、どうしてもお話をしたくて」
祐は、意味不明ながら、「祐です」と、簡素な自己紹介。
そもそも「地方出身の自分と、どうしてもお話をしたい理由」が全くわからない。
さて、特に祐にとって、意味不明の時間があったけれど、恵美が祐の手を引いた。
「さあ、祐ちゃん、鬼母と父さんが、首を長くして待っている」
「歓迎会だよ、すごく楽しみ」
「たくさんお話しようね」
祐は「うん」とだけ、恵美に手を引かれ、美咲と一緒に、日本料理店の中に入った。