大空は 恋しき人の 形見かは
大空は 恋しき人の 形見かは 物思ふごとに ながめらるらむ
酒井人真 (巻第十四恋歌四 743)
大空は、恋しき人の形見なのでしょうか。
物思いをするたびに、つい眺めてしまうのです。
物思いをするたびに、大空に恋人を思う。
面影が浮かぶのだろうか。
この心理は、現代の日本の流行歌にも、よく出て来る。
身近にはいない人、なかなか逢えない人だから、空のかなたに面影を見る。
そんな切なさは、古代でも現代でも、全く変わらない。
酒井人真は、生年は不明。延喜十七年(917)没。
勅撰集入集は古今集に一首のみ。
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