隣の祐君第96話祐の姉、瞳の性格、計画
さて、祐には、姉がいた。
名前は、瞳。
年齢は22歳、今年の4月から、静岡県庁に就職した。
瞳は、自他ともに認める体育会系、テニス部出身、トレーニング大好き。
性格も、大らか(大雑把)で、「繊細系」の祐とは、真逆である。
ただ、瞳は、「弱い祐」が心配でならない。
「あれほど言ったのに、鍛え方が足りない」
「だから、ちょっと寒いとか、何とかで風邪を引く」
「障害物だって、センスあったのに」
「大会の直前に風邪ひいて、駅の階段でコケて捻挫して、おジャン」
「だからアホって叱ったら、部屋で大泣きして出て来ないし」
「不思議に、女にはモテる、追いかけられることもあったな」
「あれは、祐は悪くないけれど」
「むしろ、ヤクザ相手だったから、逃げ続けた、警察は当てにならないから、それしかなかった」
「祐の逃げ足の速さが役に立った」
しかし、やはり祐が家にいないのは、不安で心配。
「でも・・・心配だよ、祐」
「静岡の、家から通える大学にしろって言ったのに」
「どうして東京?」
「私が、寂しいって言ったのに」
「連休には帰って来るかな」
そこまで思って、瞳は、「瞳らしい考え」を起こした。
「よし、帰って来いと、姉命令を出そう」
「祐は弱い子だから、はい、と帰って来る」
「そして、毎日、海岸沿いを10キロ走る」
「うん、健全な身体に、健全な魂が宿る」
そう思った、(実は決めてしまった)瞳は、昼休みに祐に電話をかけることにした。
「祐と話が出来るな」
「うん、あいつには、無理やりがいい」
「最初は、グチャグチャと抵抗する」
「それを聞いておいて、後半に思いっきり論破する」
「あーーー懐かしいな、それ、子供の頃、よく泣かせたもの」
「でも、アホでひ弱の祐のためになることだ」
「思いっきり、ぶちのめしてあげる!」
瞳は、そんなことを思いつき、昼休みが楽しみで仕方がない。
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