伝道者の書第33話今あるものは、すでにあったものである。
(原文:第3章15)
今あるものは、すでにあったものである。後にあるものも、すでにあったものである。神は追いやられたものを尋ね求められる。
少々の変動はあるかもしれない、しかし、この世界は同じことが繰り返される。
栄枯盛衰の繰り返しということで、過去、現在、未来を通じての循環行為に過ぎないと、伝道者は語る。
しかし、そこで「神は追いやられたものを尋ね求められる」の言葉が続く。
戦争に負ける、あるいは失敗などをして、追放をされたもの、困難な場所にある人を、神は尋ね求めるという意味になると思う。
全知全能の神にとって見れば、人間が考える善悪の程度などは、大した差がない。
それだから、敗者であろうと、失敗者であっても、神は見捨てない、尋ね求める。
「私は見捨てない、あなたも絶望せず、しっかり懸命に生きなさい」
この意味で捉えれば、希望の星となる言葉に思えてくる。