伝道者の書第99話またわたしは悪人の葬られるのを見た。
(原文:第8章10)
またわたしは悪人の葬られるのを見た。彼らはいつも聖所に出入りし、それを行ったその町でほめられた。これもまた空である。
悪人がその悪行をおおい隠し、聖所に頻繁に出入りし、さらに町内で称賛され、立派な葬儀が行われる。
なんと、虚しいことなのだろうか。
聖所に頻繁に出入りする人が、正しい人とは限らない。
人の世で、評価される人が、正しい人とは限らない。
そもそも、人間の人間に対する評価などは、あてにならず空虚なものである。
生きている時間から死んだ後の時間において、その人の評価を定めるのは、神だけである。
さて、異端者、異教者を大量虐殺し、この世で褒められ、立派な葬儀を出された「聖なる戦士」は、死後、神からどのような評価を受けているのだろうか。