ひみつの相関図ノート
あらためて全話通して読んだのですが、本当に大人も楽しめる短編集でした!
第1話は、私が書いた『初恋は前途多難⁉︎』。タイトル通り、中学生になったばかりの女の子の初恋ドタバタ劇で、コミカルタッチ。色んな意味でど真ん中をいく、とても私らしい作品です。
第2話は、如月かずさ先生
『夢追うふたり』
作家志望の女の子が主人公。小説家になりたいと思い始めた時はキラキラしていても、本気で夢を追っていると苦しくなってくるもの。逃げ出したくなっている時に、自分のファンだという後輩があらわれて──⁉︎ ラストに驚きがある希望の物語。作家である私は、夢を追うしんどさがよくわかってうなずきながら読みました。
第3話は、神戸遥真先生
『放課後のメッセージ』
成績以外は冴えない高校生男子・一希。しかしその成績も常に2位。一希は1位の快活な女子・玲奈を羨み、一方的にライバル視している。そんな玲奈が教室後方の黒板の隅に書いたメッセージに、一希は惹き寄せられ、やがて2人の関係が変わっていく青春ストーリー。
この2人の今後が目に浮かぶようで、自然と頬が緩みます。
第4話は、もえぎ桃先生
『わたしのママは』
最近、両親が喧嘩ばかり。原因は私の成績が落ちてしまったから。がんばっても成績が上がらない女の子の苦悩がリアルで、どこの家庭でも起こりえることに、読んでいて胸が苦しくなりました。親は子の将来を素晴らしいものにしたいと考えてサポートしている。だけど、それで『今』の子どもの心を壊してしまったら?この話は、子どもである主人公の心情を通して、親である私に刺さり、考えさせられました。
第5話は、宮下恵茉先生
『きみは友だち』
小学校時代は、友だちがひとりもできなかった隆浩は、中学に進学して、はじめて趣味が合う友だちができる。なんと、彼・恵五も自分がはじめての友だちだという。有頂天になっていた隆浩だったけど、恵五にはひみつがあって?
思春期の頃は、友だちが他の友だちと仲良くしているとやきもち妬いたものだな、と思い出したり、男子の友情が微笑ましい青春ストーリー。
第6話は、地図十行路先生
『壁の向こうのソラ』
高校生の茜は、初恋の人でいとこでとある蒼良を探して、『居住区』へ向かう。
そこで出会ったのは、彼と同じ顔、同じ名前の少年ソラだった。
SFショートショートで、この短編集にこういうジャンルの作品が収録されていることに嬉しくなりました。ラストも好きです。
第7話は、松素めぐり先生
『いとしのナナ』
世話好きな女子中学生のカナは、今日もナナの恋バナに付き合っている。
ナナは単純でちょっとミーハー、少女漫画好き。だけど2年前に初恋の人を亡くしている悲しい過去を持つ。そんなナナの新たな恋に、カナは応援しているけれど──⁉︎
ラスト、そうきたか!となる一作です。
第8話は、にかいどう青先生
『それでも地獄で息をする』
中学生男子・那津は、渉にいじめられている。プールにノートや教科書を投げ込まれていたり、体操着をトイレの個室に隠されていたり。そんな那津に、文芸部の変わり者・林吾が話しかけてきて──⁉︎
まさに読み始めと、読み終わりで関係性がガラリと変わった物語。最後は目頭が熱くなりました。
全作、工夫と仕掛けがあり、本当に面白かったです!ぜひ、ご家庭に一作置いていただけると!笑
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