見出し画像

オーブリー・ビアズリー展

初夏に行ったビアズリー展覚書

 Aubrey Beardsley(1872~1898)イギリス生まれ、フランスにて25歳で死す。世紀末の耽美的なイラストで知られる。
 オスカー・ワイルドの「サロメ」の挿絵が有名である。その繊細な描線、余白と黒の美しさ、巧みな構図に溜め息をついたものだ。今回実物を間近に鑑賞できて体の芯まで震えるような感動を覚えた。
 なんと言えばいいのか・・・どの1本の線もこれ以外に考えられない唯一無二の航跡を記し、どの黒もそれ以外に考えられない比率で存在している。

 短命が惜しまれる。画家としてはわずか6年間の間に多くの作品を残した。

 今回のテーマは「ビアズリーと日本」だった。言われてなるほどと納得したのだが、構図などに日本の浮世絵などの影響が見受けられる。
 また、ビアズリーは多くの日本人アーティストにも影響を与えていた。会場にはそういう作品も多く展示してあった。これもそのひとつ。

 なるほどね・・。
(よい画像を探すのが下手で、粗くてがっかり(/_;))


 これはモノクロでなくて、彩色してあるビアズリーの作品。やはりシンプルで美しい。

 わたしはやはり初期の頃の作品が好きだ。年を追うごとに神経症的な細かな描写が増えていき、余白はほとんど無くなり、息が詰まりそうになる。

 行き着く所まで行って・・・自身も逝ってしまった。

 自宅から遠い美術館だったのでどうしようか迷っていたが、親友のJに誘われてほいほいと出かけた。美術展は一人に限るが、彼女は別。友達と言うよりは恋をしているような・・・。

 素敵なひとときだった。彼女といる時は沈黙が苦痛でない。