タルコフスキーの祈り・・・J.S.Bach" Chorale prelude F Minor"

これは「惑星ソラリス」のラストシーンで流れるバッハ。
サクリファイス、ノスタルジア、ストーカー、惑星ソラリス・・とタルコフスキー監督の作品を鑑賞してきた。(ストーカーではラストシーンでベートーベンの「歓喜」だったけど)とにかくバッハの音楽が流れているわけ。それらはすべて祈りの音楽。自らの罪を贖うために映画を作っているのではないかと感じてしまう。監督自身は敬虔な信者とは言えないと思うのね。それは単なる私の勘なんだけど。でも「祈れたらいいなぁ」とか、「一途に信じることができたら救われるのだろうか」とか、そんな何かを嗅ぎ付けてしまうのだ。それはひょっとしたら私自身の内面を投影したものかもしれないと、今は感じているのだけれど。勝手なそんな思い込みからタルコフスキー監督の作品に惹かれているのかもしれない。
バッハが流れるシーンで主人公はすがる様に祈りを捧げるのだ。「サクリファイス」「ノスタルジア」でもそうだった。
「惑星ソラリス」では、亡き妻への愛と父親に対して許しを乞う姿が胸を打つ。
しかしそれすらもソラリスの海は飲み込んでしまう。・・・と言うか、ソラリスの海が見せた心象風景でしかないのだ。