「ストリートオーケストラ」少しでもこの国を変えていけたら・・・
出だしは「やっぱりなあ~」と思って適当に流していた。主人公は、幼いころは天才ともてはやされたが夢破れたヴァイオリニスト。生活の為にスラム街の学校の音楽教師を引き受けた。うんうん・・よくある話。生徒たちの楽団(課外活動かな?)の音はひどいし、態度も最悪。でもきっとすったもんだの挙句にバッチリと音が合って行って感動の発表会だよね~。ふんふん♪
でも、スラム街に響くバッハ、ヴィヴァルディ、パガニーニやモーツァルトは美しいね。やっぱり音楽は好きだ♡借りてきてよかったかな~なんて。
ところが、次第に作りものっぽい感じがなくなってきたんだよね。終盤近くなってからだろうか。リアルなブラジル社会の問題が画面に映し出されるようになってきた辺りで、わたしの意識が変わってきた。
スラムの子どもたちの現実。警官に追われて射殺される少年。警官隊とスラムの住民たちとの衝突。その映像はものすごい迫力で迫ってきた。
特典映像のインタビューでセルジオ・マシャード監督が語っていた。
「映画なんだからと念を押していたのに、暴動場面では、エキストラとして出演したスラムの人々の怒りや興奮がすごいことになって・・」
ああやっぱり、あの映像は今のブラジルの真実だったんだな。このエピソードがあるためにぐっと深みのある映画になったのではないだろうか。
そして監督は「ブラジルを少しでも良い方へ変えたいんだ。そう思ってこの映画を作った」というような言葉で締めくくった。
芸術は芸術であって、政治思想を表現することだけで終わっては芸術とは言えないと思う。しかし芸術には、何か力があるのではないかと信じたい。
・・・ということで「騎士団長殺し」の上巻を読み終わった。
関係ないみたいだけれど、わたしにとっては自然な流れ。