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前回のコラムで二人である決断に至ったと伝えたが

その決断が
「養子を迎える」ということだった。

日本ではまだまだ「養子」という言葉に馴染みがないが
欧米ではとても身近なのだ。

現に、私自身が高校時代に1年間カナダへ留学し、
ホームステイをしていたときのファミリーには中国人の2歳のホストシスターがいた。
通っていた高校にも「私は養子なの」と言っていた子が何人かいた。

私ははじめこの文化に衝撃を受けたが
ホストファミリーに愛情たっぷり育てられ、私自身黒髪のアジア人顔ということで
周りには本当の姉妹と間違えられ
「お父さんお母さんと顔が違う」ことなんて誰も気にしない。

むしろそんなことよりも、「素敵なファミリーね!」と笑顔で褒めてくれるのだ。
しかもそれが、日本人ならではの「気を遣って…」という雰囲気は一切無く、
心からそう言ってくれる。

多様性が認められる文化
多様性を受け入れる文化

高校生のときに異国で身をもって実感した
Open Mindな考え方、価値観が
当時の私に衝撃を与えた。

私が育った環境は
お世辞でも「多様性を認める」という感覚は薄く
「伝統的」であり「周りの目を気にする」という家族だった。
代々家業を営んでいることもあり
「長女なんだから」「みんなに見られてるんだから」と
周りの目を気にして育った。

この考え方と180度違う考えのファミリーと1年間同じ屋根の下で生活をすることで
10代の私の価値観が大きく揺らいだ。

そんなこんなで
いい意味でも悪い意味でも「周りの目は気にしない」という性格になったため
日本で「養子を迎える」ということも
自分たちが本気で迎えたい、家族になりたいと思ったら
いいのではないかと心から思っていた。

もちろん伝統を重んじる祖母などにはあまりいい顔をされなかった。
「まだ若いのにその結論は早いんじゃないか」
「もう少し頑張ってみたら」
そういう意見があるのも理解できた。

しかし、
夫婦で話し合った結果なので、誰に何をいわれようと
考えは変わらなかった。

「養子を迎えたいな」と主人にはじめて伝えたのは、キャンプで星空の下で
ワインをしっぽり飲んでいた時。
主人にももちろん馴染みがなかったのだが、
すぐに考えを理解をしてくれた。

そこから色々とリサーチをはじめ
日本ではハードルが高いことも知り
さてどうしていこうかという段階に来たときに
今回の妊娠がわかったのだ。

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