熱きダンスバトルここにあり‼️「あきばっかーの」11周年SP
その「現場」でしか感じられない何かが確かに存在する。
2024年8月10日、満員の歓声の中で開催された白熱のアニソンxダンスの2on2バトル「あきばっかーの 」11周年SP。
10時間以上に渡って繰り広げられた このイベントは、RAB(リアルアキバボーイズ)の涼宮あつきさんが中心となって2013年に始まったものだ。
RAB推しを始めてから、その存在は知っていたものの、アニメにもダンスにも中途半端な知識しかない自分は、知っているバトラーが少ないことを理由に配信ですら観戦をためらっていた。
それなのに今回、いきなり現地観戦しようと思い立った理由は、ゲストバトラーが推しであるRABの二組(DRAGON&ゾマやかじゃない:DRA&ゾマ、ネス&ムラトミ:ネス&ムラ)だと知ったからである。
主となるダンスジャンルがブレイキンのDRA&ゾマも凄そうだが、ブレイキンのパワームーブであるヘッドスピンを得意とするムラトミさんとタット主体のネスくんの組み合わせは予想不可能であり、まず そこに そそられた。
また、動画配信やライブで、RABのかっこいいブレイキンやタットを数多く観てきたが、それらはあらかじめどんなアニメやボカロ曲が使われるかを知っている状態でのダンスだった。
しかし、バトルではDJがどんな曲をかけてくるか分からない。
加えて、テンポの変わりやすいアニソンやボカロで、タイミングよくヘッドスピンを決めるのは、素人目にも難しいように思えたのだ。
「そんなレアな姿を現地で見れるかも」と一度思ってしまったら、もう抑えらない程に推し活を拗らせている筆者であった。
予選観戦での驚きと興奮
ゲストバトラーは、BEST32からの出場なので、14:30ごろに行けば間に合うらしかったが、予選も見てみたくて12時前に会場の川崎クラブチッタへ到着した。
会場内にはバトラーと観客で1000人くらいは居たと思う。
正直なところ、こんなに大規模なものだとは思っておらず、ちょっと甘く見ていた自分を恥じた。
「あきばっかーの」は、各チームにDJが選んだ2曲が与えられ、それに対して2人1組のチームが交互に即興でパフォーマンスを行う形式だ。
ここで、あえて「ダンス」と言わずに「パフォーマンス」と表現したのには理由がある。
もちろん、ブレイキンやストリート、ロックダンスのような一般的なダンス構成も多かったのだが、それだけでのイベントではなかったからだ。
ポールダンスをはじめ、音楽に合わせて、けん玉、縄跳び、バスケットボール、サイリウムなどを使い、多種多様なアイデアや演出で挑むチームに目が釘付けになった。
中でも、身長の倍くらいある恐竜の着ぐるみが筆者の横の通路を通って、しっかりとダンスやパフォーマンスを披露してくれたのには度肝を抜かれたし、会場を大きく沸かせていた。
予選は、4つのサークルで2組ずつが対戦し、創造性、スキル、音楽との一体性、戦略性、流れの一貫性などをジャッジが点数化して通過チームを決める。
バトルがエンタメ系イベントと最も異なるのは、対戦相手に戦略的に挑発するジェスチャーで自分のパフォーマンスをアピールする点だ。
しかし、これはリスペクトを欠いた行為ではなく、各バトル終了後の対戦相手とのハグでお互いを讃え合う姿に、なんとも言えない心地良さを感じた。
ベスト32以降の熱き闘い
ベスト32からは2サークルでの対戦で、お目当てのRABゲストバトラーが登場し、そのバトラーとしての姿を堪能できた。
観戦に慣れてくると、誰のパフォーマンスであっても素晴らしいものには自然と片手を挙げ、会場全体と一緒になって歓声を上げてしまう自分がいて、それがとても嬉しかった。
ベスト16以降は、いよいよ1サークルとなり、目の前でじっくりと全てのバトルを鑑賞できるようになる。
DRA&ゾマはベスト8、ネス&ムラはベスト4まで進んだ。
その中でも、ダンスの自由さを追求していくRAJ(リアルアキバジュニオールズ)のHARUYOSHIくん(ジュラシックワールド)vs DRA&ゾマ、YOHくん(DAballerz)vs ネス&ムラ、の対戦は、互いに高い技術を持ちながら性質の異なるパフォーマンスでの闘いとなり、とても見応えがあった。
異種ジャンルの優れたパフォーマンスのどちらかを選ばねばならないジャッジは本当に大変だったと思う。
RABメンバーがバトラーとして勝負に臨む姿を見られたのは、いつものエンターテイナーとは別の一面を垣間見たようで嬉しかった。
特に、最推しムラトミさんがバトルでヘッドスピンする貴重な瞬間に立ち会えた時には、現地観戦を決断した自分を褒めたくなったくらいだ。
優勝は、龍と勇太という予選からの勝ち上がりの10代コンビで4年ぶりだという。
ダンス素人の私見だが、ルーティンという2名が連携して行なうパフォーマンスの完成度の高さと手数の多さが、彼らの大きな武器になっていたと感じた。
龍くんは、RABの最年少メンバーでもあり、ストリートダンスの大会で世界一に輝いたこともある、これからどんな進化を遂げていくのか目が離せない存在だ。
帰宅した後で、見逃しや気になる対戦を確認するために、有料配信を購入したことは言うまでも無いだろう。
反省と感謝
今回のバトルイベントは非常に満足のいくものであったが、初めての観戦としては準備不足であり、少し無理があったとも感じた。
超満員の会場では、観客は体育座りか立ち見を続けるしかなく、動けるタイミングは2〜3時間ごとに15分程度のDJタイムしかない。
座り続ければ尻が痛くなり、立ち続ければ脚への負担が大きく、どちらも辛い体勢だった。
対戦と対戦の間に少し移動することで体勢を変えることはできたのだが、一度移動してしまうと元の位置には戻れなくなる。
DJタイム中に、固まった足腰をストレッチでほぐして何とか対処したが、翌日の疲労感は非常に強かった。
それでも、バトルをライブで観戦する魅力を一度知ってしまった以上、次回もリアル観戦したいと思っている。
その際には、今回の経験を踏まえて、実効性のある対策を講じる必要があるだろう。
何はともあれ、この素晴らしき現地での観戦機会を与えてくれたRABゲストバトラーの4人に感謝を捧げたい。