スーパーシニア活力レシピ【総集編】
シニアワーカーが増える現代、70歳を超えても充実した仕事やプライベート生活を送る「スーパーシニア」が注目を集めている。
しかし、彼らの多くは筆者のような普通の会社員ではない。
さらに彼らがそこに至った経緯についても具体的には語られていない。
「一度しかない人生、どうせなら後半戦をスーパーシニアのような活力で満たしたい」
筆者がそう強く意識し始めたのは、54歳のクリスマス前に、突然の腹膜炎で一週間の絶水絶食の入院を経験してからだ。
それ以来、少しでも彼らに近づくために様々な視点から取り組みを行なってきた。
あれから8年が経ち、まだ理想には遠いものの、シニアになった今でも仕事と趣味を楽しみ、張りのある毎日を送ることができている。
本エッセイは、これまでの筆者の試みを「ヒラメキ活」「カラダ活」「ココロ活」「ワクワーク」の4項目に分け、それぞれに対応する8つのレシピとしてまとめたものだ。
これらの工夫が、同世代や現役世代にとって、躍動感あふれる未来へのヒントとなれば幸いである。
【第一章】すぐできるヒラメキ活
歳とともに溜まっていく脳の疲れを癒す活動と、様々な新しいアイデアやインスピレーションを得る脳活を合わせて、ヒラメキ活と呼んでいる。
両方に気を配らなければ、筆者の理想とする時代の変化に柔軟に対応できるスーパーシニアを目指すことはできない と考えているからだ。
・活力レシピ01:脳の働きに気をつけて 朝まで熟眠しよう
眠れない夜が続いて日中のパフォーマンスが落ちる経験はなかっただろうか?
質の高い睡眠、すなわち熟眠は、脳に溜まった老廃物を洗い流し頭をリフレッシュさせる。
さらに、成長ホルモンの分泌も促進し、脳活のサポートにもなる。
また、肌の老化や免疫力の低下を防ぐ重要なプロセスでもあるため、スーパーシニアへの道には欠かせない。
年齢を重ねると睡眠の質は低下しがちになるが、投薬以外で 筆者が日々実践している二種類の対策、「勘違い回避」と「クールダウン」の具体例を紹介する。
<脳の勘違いを回避>
まず夜10時以降は光量の多いTVやタブレットの使用を控えるように心がけている。
理由は、ブルーライトが睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、脳が昼間と錯覚してしまうため 入眠が妨げられるからだ。
夜にどうしてもスマホを使用したい場合には、画面の照度を落としてブルーライトカットメガネを使っている。
うっかり使い忘れた時には なかなか寝付けないこともあったため、その効果を感じているところだ。
また、できるだけベッドを寝ること以外に使わないようにしている。
ベッドでテレビやスマホを見続けると、脳が「ベッド=娯楽の場所」と認識してしまう。
こうなると交感神経が昂ぶり、熟眠が遠ざかるのだ。
逆に、パジャマに着替えるのは寝る直前に行うようにしている。
これは、着替え作業を常に就寝前に実行することで、脳に「着替え=睡眠」とインプットさせるためだ。
日々のちょっとした工夫が、脳の勘違いを防ぎ、熟眠に繋がることを認識してほしい。
<脳をクールダウン>
寝る直前に夕食を摂ると、消化中は交感神経が優位となり、脳がリラックスできず、クールダウンされない。
その結果、寝つきが悪くなり、深い眠りに入れないので、夕食は入眠時刻の2〜3時間前に済ませている。
また、筆者は冷えのぼせ体質のため、寝る前に物理的に脳を冷やすことをルーティンにしている。
方法は単純で、冷水で濡らして絞ったタオルを頭や首の後ろに当てるだけだ。
冷水が無い時やタオルがぬるくなったら、しっかり絞ってから端を掴んで回せば、かなり冷たくなる。
この時、少しエタノールを吹きかけておくと、蒸発時に熱をより奪うので効果的だ。
さらに、寝ている間も脳を冷やすために、冷蔵庫で冷やしたジェルパッドを枕に置いていた。
ただ、この方法はタオルで巻いていてもベッド周りが湿るので困っていた。
現在では「Brain Sleep Pillow」という空気の層で脳を冷やす枕を使うことで悩みを解消し、頭に熱がこもらないようにしている。
脳の勘違いを避け、クールダウンさせて熟眠を得ることは、様々な研究者が発表していることだ。
筆者の提案はその手法の一部に過ぎないが、これらの対策を毎日の生活に取り入れることが、結果的に日々のヒラメキ活につながる。
ぜひ試してみてほしい。
・活力レシピ02:リアル謎解きで 知らない街から刺激を受けよう
いわゆる「脳トレ」は知的活動を通じて脳を刺激するものだが、「リアル謎解きゲーム」は実際の場所を訪れて参加するインタラクティブな体験だ。
歩行など身体を動かすことで血流が促進され、脳に酸素や栄養が行き渡りやすくなるため、筆者はこれを「脳活」と位置付けている。
最初に紹介する鉄道型のリアル謎解きゲームは、鉄道会社と謎解きカンパニーのコラボ企画だ。
冊子やキットを使って謎を解くことで、普段降りたことのない駅に行くことができ、小旅行気分が味わえる。
移動は鉄道を使うので身体への負荷は少なく、仲の良い人と楽しむことができるため、人混みを避けたいシニアにも最適だ。
この謎解きは鉄道の利用を主目的としているので、無料のものも多く、謎の難易度は高くない。
ヒントを使わずに自分たちの力だけで解けるので、やみつきになった。
謎としては易しめとはいえ、冊子を組み合わせて答えを導くプロセスが思考を刺激するため、十分な脳活効果が得られるはずだ。
また、謎解きの鍵は改札外に設置されており、普段利用しない駅に降り立つことになる。
解き進めていけば必ず知らない街を訪れることになるので、非日常の新しい情報刺激が得られるのも良い。
二番目に紹介するのは、街歩き謎だ。
東京であれば下北沢や吉祥寺など、街を巡りながらカフェや店を訪れて謎を解くスタイルのこの謎解きはとても人気がある。
鉄道謎に比べて よく練られた謎も多く、知らないカフェに入るきっかけにもなり楽しい。
最近では、町おこしの発想から生まれた街歩き謎も増えており、対象エリアは商店街から大規模な地域まで幅広く 有料のものも多い。
地域の歴史やアートを楽しみながら謎を解くので、普段見慣れた街を新たな視点で見ることができるのが興味深い。
開催期間内であれば、エリアごとに数日に分けて 自分のペースで進行できる点も魅力だ。
この他の謎解きゲームには、本丸とも言える時間制限型謎解きゲーム(公演タイプ)がある。
これまでに紹介した鉄道型や周遊型の謎解きとは異なり、謎が解けることを前提に楽しむものではなく、解けるかどうかのスリルを味わうものとなっている。
ストレスもかかるのだが脳活効果はかなり大きく、こちらも月に1回は公演をハシゴするくらいにハマっている。
慣れてきたら、仲間と共に このタイプに挑戦するのも良いだろう。
【第二章】一歩進めたカラダ活
シニアに近い世代で活力ある状態を目指すには、食べ物やサプリなど 身体へのインプットの選択が重要だ。
漠然と健康的とされるものを摂るのではなく、科学的な見地から 一歩進んだカラダに活力を与える取組みが必要と考え、これを「カラダ活」と名付けた。
・活力レシピ03:しっかり食べるローカーボで 認知リスクを遠ざけよう
歳を重ねるごとに 適度な運動が必要なことは言うまでもないが、スーパーシニアを目指す上での最大の課題は「認知症」だ。
その発症リスクが高まるのは 70歳以上の糖尿病患者であるため、それ以前からの血糖値の安定化が鍵となる。
では、それが食べ物の選択だけで予防できるとしたら どうだろうか。
対策として注目すべきなのは「ローカーボ(糖質制限)」だ。
筆者自身、空腹時血糖値は10年前から高めだったが、ローカーボを取り入れることで、三食をしっかり食べながら今も糖尿病を免れている。
ここでは、その体験を通じて得た知見をシェアしたい。
<ローカーボの真実と成功のポイント>
糖尿病予防だけでなく 体重管理やアンチエイジング効果が期待できるローカーボ食は、糖質を制限することで 体内のインスリン感受性が向上し 活力ある体を維持できる。
実際のところ入院時の絶食の反動で増えた体重も、ローカーボ実施後には減りすぎない程度に一定値を保っているし、2〜3ヶ月間の平均的な血糖値を反映するHbA1cも正常域のままだ。
さらにAGEs(終末糖化産物)の生成抑制も期待でき、肌の老化防止にもつながると言われている。
乳酸菌サプリでの腸活も併用しているせいか、肌の状態について若くみられる傾向があるのも嬉しいところだ。
しかし、こんな良いこと尽くしのローカーボだが単に炭水化物を減らすだけで達成できる、と思われていることが残念でならない。
実はローカーボを続ける上で一番大切なのは「食事量を減らさない」ことなのだ。
一般的に炭水化物は腹持ちが良い印象だが、実際には消化後に急激に空腹感が襲ってくる。
これは 炭水化物が速やかにエネルギー源として利用され、血糖値が急上昇した後に急激に低下することが原因だ。
一方で タンパク質や脂質は消化吸収に時間がかかり、持続的にエネルギーを供給するため腹持ちが良いことは知られていない。
ローカーボ実践の際には食事の時間に気をつけないと、食べなくても平気に思えてきてしまう。
しかし、この状態が続くとエネルギー不足で動けなくなったり、身体に力が入らなかったりするので 注意が必要だ。
こういう状態を防ぐため、例えば筆者の場合はサラダチキン、焼売やハンバーグ、卵料理やヨーグルトなどのタンパク質豊富な食材を、主食を抜く分のカロリー分だけメインのおかずとは別に食べている。
外食の際には 牛丼チェーンの低糖質メニューを選んだり、ご飯の代わりに冷奴を食べるなどの おかずを一品増やす工夫をしているのだ。
また少量でも炭水化物を併用したいおかずの場合は、出来るだけ朝食か昼食に取り入れることにしている。
これは食後の活動が活発なことで血糖値の急上昇を防ぎやすいからだ。
間食には ナッツやハイカカオチョコレート、低糖質ドーナツなどを常備してある。
これらの食材は 長期間常温保存が可能な上に 糖質が低くてもカロリーが高いので、食事量が確保できない際にも役立つ。
この様に ローカーボの成功のポイントは、糖質を減らすことに集中しすぎず、必要なカロリーをしっかり確保することにある。
<ローカーボでの困りごと>
ローカーボを続けていくにあたり、最も大きな壁となるのは食事コストだ。
炭水化物に比べて、タンパク質や脂質は高価だからだ。
例えば、低糖質パンや低糖質カップ麺は 通常のものよりも70円程度高い。
外食ともなると、一食の差は300円から400円にまで広がる。
様々な商品がリーゾナブルな範囲で増えたとはいえ、生活のエンゲル係数が増大するのには困ってしまう。
さらに、ローカーボ生活の厄介なところは、空腹時に糖質だけを多く摂取することがあると「糖質酔い」という現象が起きることだ。
急激な血糖値の上昇と、その後の急激なインスリンの分泌による血糖値低下で、まるで酔っ払ったかのような感覚に襲われるのだ。
時間が経てば体が慣れて解消されるが、筆者も初めて経験した時は 驚くというより正直なところ怖かった。
糖分の高いジュースや、油脂やタンパク質が少なくて糖質吸収を妨げるものがない和菓子やシャーベットを 空腹時に食べるとリスクが高いので注意してほしい。
こんな困りごとはあるものの、続けていけばスーパーシニアのような活力ある生き方に繋がると確信している。
【第三章】ときめきココロ活
スーパーシニアをTVなどで観ていると、身体や頭脳の明晰さに加え、他者とのコミニュケーション力の高さと感情の豊かさが、内面の輝きを増している印象がある。
筆者は、この感情面の充実を目指す活動を「ココロ活」と呼んでいる。
これには様々な方法が有るが、お勧めは「推し活」のような強烈な感情の共有と「ポーカー」のような欲望と理性のバランスを取る体験だ。
ここでは、これらを通じて筆者にどんな変化があったかを紹介する。
・活力レシピ04:推しを見つけて スキをスパークさせよう
ここでいう推し活とは、特定の人物やグループ、趣味などに対して強い関心や愛着を持ち、応援グッズを買ったりライブに参加するなどの「行動」を伴う活動のことだ。
SNSでフォローしたり TVや動画配信サイトで画面越しに観るだけでも感情は動くが、それでは足りない。
リアルな体験で得られる感情の高まりや 推し仲間との交流がもたらす繋がりの感覚こそが、脳内のドーパミン分泌を促進し 幸福感を高め、豊かな表情を作るからだ。
筆者の推し活は、一年前の7月に観たリアルアキバボーイズ(RAB)というアニソンxブレイクダンスユニットの動画配信がきっかけだった。
しかし 配信のコメントが圧倒的に女性が多かったこともあり、ライブ参加という行動につながるまでは3ヶ月かかった。
おっさんの自分がライブに行ったら、場違いじゃないか、怪しまれないか、といった後ろ向きな思いが 自分の行動を縛り 推し活を妨げていたと思う。
しかし ライブを体験してみると、推しとそれを応援する皆が一体となり 自分の心の底から熱量のようなものが湧き上がってくるのを感じた。
このココロの動きは、部屋で動画配信を観ているだけでは 決して味わえなかっただろうと確信した瞬間だった。
今ではSNSでの推し仲間との交流の機会も増え、情報量も多く、退屈を感じる暇は無い。
推し仲間との語り合いや情報交換を通じて スキという感情の共有を素直に表現することが、自分のココロに強い刺激をもたらしていることに 驚きを感じる毎日だ。
どこまで沼にハマるのか、少々怖くもあるが、もちろん楽しみでもある。
・活力レシピ05:ポーカーで 欲望と理性をバランスさせよう
年齢を重ねると欲望や興味が希薄になっていくことは よく知られた現象であり、身体的な変化や社会的な役割の転換などが原因とされている。
しかし欲望は 行動力やモチベーションにつながり、新しい目標を設定し それを達成するための努力の原動力になり得る。
スーパーシニアと呼ばれる方々の多くが超高齢でも業務を遂行され、新しいことに興味を保ち続けていることを鑑みると、良い意味での欲望の喚起が起きているように思えてならない。
失われがちな欲望を復活させるには、いろいろな方法が考えられるが、筆者においては ポーカー(テキサスホールデム)が有効だった。
このカードゲームは スリルと戦略が融合し 勝ちたいという欲望を強く掻き立てるからだ。
さらに、瞬時の確率計算が求められるため、ココロ活と脳活の両面で優れている。
また勝つ確率を高めるには他者の行動を観察し、背後にある意図の推測が必要で、駆け引きもあるために認知機能をも高めていく効果も期待できる。
駆け引きと言っても、このポーカーの場合には 一般に思われているような 言葉巧みに相手を丸め込む行為は無い。
掛け金の上げ方やそのタイミングによって、自分の手札が有利だと主張したり 圧力を掛け直したりする非言語的なものなのだ。
プレイヤーが取れる行動は限られているが、奥が深いため 世界中でプレイされ 言語に頼らず対戦できるのが魅力だ。
他のトランプを使うギャンブルやゲームに比べ、確率的判断と駆け引き要素がバランスしており、エンターテインメント界の新たなトレンドとして今後ますます目に触れる機会が増えるだろう。
筆者もプレイを始めて8ヵ月程になり 状況に応じて勝てる確率をだいぶ把握できるようになったものの、負けないための計算が勝ちたいと思う欲望に振り回されてしまうことがよくある。
現在は、勝つための戦略をChatGPTなどで学び直しているところだ。
近くにポーカー店がない場合やプレイコストが高いと感じる場合は、スマホの無料アプリから始めるとよい。
m HOLD’EMが、筆者のお気に入りアプリだ。
ポーカーのルールやプレイの仕方も、遊びながら教えてくれるし 課金しなくても充分楽しめるのもいい。
さあ、欲と合理性の入り混じった人間的なゲームを試してみよう。
【第四章】ワクワーク
「ワクワーク」という言葉は、筆者の勤め先のDX推進部門において ワクワクするワークの推進、すなわち働き方改革を意味する社内用語として定着しているものだ。
そこで 職場が変わることも多いシニアにおいて、業務へのモチベーションを上げる活動を「ワクワーク」と位置付けた。
・活力レシピ06:LLMを個人秘書として 業務のサポーター役に使おう
日本企業の業務効率化が進む中で 普通の会社員がスーパーシニアを目指すなら、ITやデジタル技術の積極的な利用は避けられない。
しかし「IT」や「デジタル」は シニア世代にとってモチベーションを下げるキーワードでもあるため、従来の座学とは異なる習得方法が必要だ。
ここで役に立つのが 生成系AI(LLM)である。
LLMの登場により、ITやデジタル技術を学習するためのハードルは飛躍的に下がった。
「習うよりLLMに尋ねて慣れろ」という時代が到来したと言える。
LLMは、質問の意図を読み取ってくれるので、ITやデジタル技術に慣れてないものでも学びやすいのだ。
滅多に使わないOutlookの設定や Wordでのパスワードの掛け方をはじめ、EXCELのマクロだって作り方を丁寧に教えてくれる。
もちろん最初のうちは質問の仕方がわからず、「使えない」答えも多く返ってくるだろう。
ポイントは 意に沿わない回答が返って来ても、根気強く 自分がどうして欲しいかを説明したり、質問の内容を細かくして とにかく会話を続けることだ。
そのうちに、どんな風に質問をすればいいかが わかってくる。
それが、LLMを業務サポーターとして使いこなすための第一歩だ。
続けるための具体的な方法としては、小さなタスクから始めることを お勧めする。
例えば、日々の業務で繰り返し行う作業、例えばメールの作成や返信の文例をLLMに任せることで、その効果を実感できるだろう。
徐々に難易度の高いタスクに挑戦し、自分のスキルを高めていくと良い。
もし、今の職場にLLMが無かったとしても、PCを使う業務であれば導入は時間の問題なのだから、プライベートで積極的に利用し、 将来の導入に備えておこう。
・活力レシピ07:休暇制度と在宅勤務を上手に使って 働き方にメリハリを付けよう
スーパーシニアの様に心身の充実を保ちながら働くには、有給休暇取得を「権利」ではなく「義務」と捉える 意識の転換が必要だ。
病気の時にだけ使うのではなく、趣味やスポーツ、ヨガなど、ストレスを解放する時間に充てるべきである。
年齢と共に落ちやすい集中力を向上させるためには、そのくらいの意識改革が必要なのだ。
半休、時間休暇や残業プールなどの制度をフル活用できれば、なお良いだろう。
筆者は 計画的に休暇を取って ショッピングや推し活動に使い、ここ5年の有給消化率は100%だ。
また満員電車での通勤による体力消耗は、自分が思う以上にココロと身体のパワーを消費するものであり、在宅勤務やカフェワークを巧みに活用して働き方にメリハリをつけることも必要だ。
コロナ禍は多くの人にとって厳しい時期であったが、在宅ワークの仕組みが整って 新しい働き方への理解が進んだ点だけは 前進だったと言えよう。
筆者は出社が週1〜2回で、それ以外は在宅勤務だ。
もちろん PCを使うDX関連業務であること、勤務先の柔軟な体制 さらに上長の理解があったことは運が良かったとも思う。
現状は対応が難しい場合でも、スーパーシニアを目指して働くためには、自分の意識にパラダイムシフトを起こすことが必要だ ということを忘れてはならない。
・活力レシピ08:ふくらはぎケアと昼寝で 在宅勤務での健康リスクを回避しよう
スーパーシニアを目指していても、アスリートでもない限り筋肉は減少していく。
特にふくらはぎの筋肉量の減少は、血液循環が悪化を招きエコノミークラス症候群などの健康リスクを高める。
また在宅勤務では、歩数が激減し長時間座りっぱなしになりいことで、ふくらはぎの血流は滞りやすくなるのだ。
この健康リスクを減らすために、ふくらはぎの血流促進が重要だ。
私が実践しているのは、医療器具のカーフタイツ着用と Apple Watchでの定期的な起立促進だ。
さらに、自重スクワットも取り入れている。
焦ってジムに通う必要はないが、長期的視野で自分の身体を労わる投資を考えてほしい。
もう一つ、活力をもって仕事を続ける上で重要なのが 15〜20分の昼寝だ。
短い昼寝は、血圧を下げてストレスホルモンを減少させ、心臓発作や心血管疾患のリスクを低減すると言われている。
また、記憶力や集中力を高めて 午後の業務効率を向上させる働きもある。
筆者の昼寝時には、脳だけでなく眼の疲れも取るために 使い捨ての温アイマスクを愛用している。
リクライニングできる椅子があれば、ハンカチで目を覆うだけでも構わない。
時間がない時は5分でもいいので、とにかく昼寝の習慣をつけることが大切なのだ。
ただし30分以上の昼寝は、身体まで寝てしまうために、午後の仕事に差し支えるので注意が必要だ。
小さな工夫を継続し、シニアに近い年代にありがちな健康リスクを低減しながら、充実したワークスタイルを実現しよう。
普通の会社員によるスーパーシニアへの道は、スタートしたばかりだ。
老害、という言葉が頭をかすめることも有るけれど、歳を重ねたからこそ出せる味があることを信じて、これからもnoteに向かって記事を書き続けて行きたい。