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事実と向き合い 真実に惑わされない
「これは自分が勝った」と確信する瞬間がある。
絶好のチャンスを掴み、理想的な条件が揃ったとき、人は「うまくいくはずだ」と信じ込む。
しかし、本当にそうなるだろうか。
先日、ポーカーのトーナメント中に、まさにそんな瞬間が訪れた。
30分間のプレイで、最強クラスの手札「AK(エース&キング)」を4度も手にしたのだ。
最初の3回は慎重に立ち回り、勝利を重ねた。
しかし、4回目にはツイてて勝てると思い、冷静さを欠いたまま大勝負に踏み切った。
結果は完敗だった。
過去3回「AK」という強い手札で勝ったことと、そして4回目を得たことは紛れもなく「事実」だった。
しかし、「今日はツイている」というその時信じた「真実」は、経験や願望、思い込みによって作られた幻想に過ぎなかったのだ。
人はしばしば、事実の上に自分なりの真実を積み重ねる。
過去の成功体験に頼り、不都合な情報には目を背ける。
この心理的傾向は、ハロー効果や認知バイアスとして知られ、判断を曇らせる要因となる。
状況が変わるたびに、立ち止まり、冷静に考え直すことが重要だ。
大胆な行動は必要だが、勝負を決めるのは、分析力を伴った冷静な判断なのだ。
これはポーカーだけに限らない。
仕事、試験、投資、そして人生のあらゆる場面で、人は自分に都合の良い見方をしがちだ。
しかし、目の前の現実を直視し、適切に対処しなければ、思い込みに振り回されることになる。
どんな時でも、自分に都合の良い「真実」に惑わされず、「事実」と向き合い、冷静に判断した者だけが、勝利を手にできるのだ。