病気になって良かったと思えることが一つだけあるとするなら
こんばんは。夜分遅くに失礼いたします。
徳島で乳がんの手術をして2ヶ月、東京に戻ってきて2週間半。
まだまだ傷口は痛むし肩こりはひどいけれど、体力と気力が少しずつ戻ってきとるん。そんな今だから、書けるかもしれないと思って、深夜にも関わらずパソコンのキーボードに向かっとります。
乳がんになって。
痛い思いをたくさんして。
つらい思いもたくさんして。
それでも病気は治らないからこれからも薬を飲み続け。
まだまだ消化しきれない思いを抱えて。
自分が「がん」だという事実と上手く向き合えなかったり、向き合おうとしてつらかったり。
いろんな人からいろんな慰めの言葉をかけてもらったん。
「早く見つかって良かったね」
「早く東京戻って来られて良かったね」
「無事に手術できて良かったね」
「抗がん剤治療じゃなくて良かったね」
この、「良かった」って言葉に素直にうなずけん自分がおって。
頭では、分かってるん。
「良かった」って思える要素がたくさんあるって。
私は今、生きてるし、これからも元気に生きていける。
でも、病気。これは一生付きまとってくる。10年で終わりじゃない。この先、きっと、「再発」に向き合わなあかん時がきっといつか来る。
「病気になって良かった」って思えんかったら、
この複雑な感情はきっと消えん。
まだまだ、病気の自分を受け入れることが出来てるとは言えんのやろなぁ。
そんな私やけど。
今夜は素直に、病気になって良かったと思えることが、一つだけ。
私、いろんな人から愛されてて、大事にされとるんやな。
そう実感できたこと。
会えなくても電話をくれる人。
記事、読んだよと連絡くれる人。
久しぶりに会って、おかえりと言ってくれる人。
いつもは特別話しかけてくるわけでもないのに、わざわざ話しかけてきてくれる人。
何も言わなくても、今まで通りに楽しく一緒に過ごしてくれる人。
嬉しくて、久しぶりに嬉し涙がこぼれとる。
悲しくない涙は、いつぐらいぶり?
慰められるんが逆につらい時期もあった。
何を言われても、明るい未来を想像できん時もあるん。
それでも。
生きてて良かった。生きてるって、楽しい。
そう思える瞬間の積み重ねが、気力を取り戻させてくれる。
明日には、やっぱり傷口が痛くて憂鬱になって、病気になんてならんかったら、手術せんで済めば良かったのにって思うかもしれんけど。
まだまだ気持ちの浮き沈みがあるけんね。
今だけかもしれんけど。
病気にならなければ、これだけたくさんの人が私を心配して、大事に想ってくれてるってことに気付けんかったかもしれん。
そう思えとる。今は。
もし、この先、あなたの大事な人が自分ではどうしようもないことでつらい思いをすることがあったら。
どうか、そばにいて、話を聞いてあげたり、何もかも忘れて楽しく一緒に過ごしてあげてください。
その時は、伝わらないこともあるかもしれない。
でも。
必ず。
話を聞いてもらえて。そばにいてもらえて。楽しい時間を過ごせて。
救われたって思う日が、必ず来るはず。今はそう思えんくても。いつか。
相手を思いやったり、労わったり、大事に思う気持ちは、必ず、いつか、伝わる。それは相手の生きる力に必ずつながる。
相手が「つらい」と言うときは、「そうだね、つらいね」って気持ちに寄り添ってあげてください。
理解してもらえることがどれだけ力になるかは測り知れません。
つらい渦中にいる時は、その気持ちに応えることができん時もあります。
励まされてもつらいだけの時期もあります。
どうか、待ってあげてください。
時が過ぎ、日々繰り返す毎日を経て、少しずつ現実と対面しながら、自分のことから周りへと意識を広げていける時が必ず来る。時間がかかっても。
病気になることと、病気の人に寄り添うことは、どちらもとてもつらくて難しいことやと思います。
どちらもつらいけど、違う種類のつらさやから共有することは難しいし、すれ違うこともあるんやろな。
どうか、あきらめんと寄り添い続けてほしい。
寄り添ってくれるあなたの存在自体が、救いになるから。
いつか必ず、きっと伝わります。分かる日が来る。
まだまだ私はつらい思いをたくさんするだろうし、
何も解決しとらんけど。
病気が教えてくれた、私がどれだけいろんな人に愛されているか、ということ。
今の気持ちを、これからの人生を前向きに生きる力につなげていきたい。
今日の記事は、SNSでシェアしない(笑)
こういうところが、ちょっとまだひねくれてる??素直に自分の気持ちを吐露するのはまだまだ慣れんから。ありがとうを伝えたい人はよえけおるんやけど。
わざわざ見にきてくれた人にだけ。
私の体験が、誰かの人生を生きる上での参考になりますように。
想いを込めて。