小説に浸かり込んでしまったあなたへ
本が好き、本が友達、そんな時期もありました。
でもそんな健全な小学生みたいな表現は、今のあなたにはちっとも似合わない。あなたは、今はもうそれが必要な患者のように言葉を欲していますね。麻薬患者はこんな様子なんじゃないかと、私はあなたと小説を見ていて思うのです。
文体に口調を支配されながらうつろな目をしている。
身を切られるような残酷さの後でしか、共感という深淵に触れられないほど傷つきたがっている。
この本は「違う」と思うと居ても立っても居られない不安に襲われる。
一つの物語が