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津島deシネマ で BLUE GIANTを観てきた〜福島県浪江町

初めに断っておくと、おそらくこのnoteに、BLUE GIANTの内容に関する記述はほとんど出て来ません。
ですが、予備知識なしに観て、すごく良かったということは、最初に書き残しておきます。

2023年8月26日、福島県双葉郡浪江町の津島小学校で開催された野外上映会「津島deシネマ」に参加しました。

私が住む福島県双葉郡には、映画館がありません。なので、隣町でシネマイベントやってくれるなんて、しかも野外なんて素敵!そういうノリで参加を決めたのでした。

主催しているのは、なみえコミュニティシネマ実行委員会という、浪江町に暮らす有志の若者たちの団体です。

今回、会場となった浪江町の津島小学校のある津島地区は、今年2023年の3月に、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から12年振りに避難指示が解除され、人が住むことが可能になった地区です。
そして震災直後、多くの浪江町民が避難に身を寄せたにも関わらず、風向きの関係で放射線量がとても高かった地域でもあります。

居住が可能になったとは言え、浪江町の中心部から、車で30分以上かかるので、その地区に所縁があったり、仕事があったりする人でなければ、まず足を運ばない場所。双葉郡内で避難指示が解除されたエリアでも、生活インフラとして今のところ1番キツい場所なんじゃないかと思います。

そういう場所に、わざわざ足を運んでもらうために、今回のシネマイベントは企画されたのだと思います。
隣町に住んでいて、取材を生業にしている私ですら、なかなか津島に足を運ぶことは出来なかった。津島の隣の川俣町に行く際に必ず前を通過しては、胸を痛めることしか出来なかった。

でも今日その津島に、浪江の人、その周辺に住む人、さまざまな場所から足を運んだ人たちが、月と星に囲まれた野外シネマという、極上のエンタメを楽しんだ。その体験で、少なくとも私にとっての津島は、胸が痛いだけでない、楽しい記憶の場所に変わった。すごいことだと思う。

映画のコンテンツに「BLUE GIANT」を選んだのも、東北出身の主人公が東京で一旗上げるというストーリーや、どんな逆境でも諦めない姿勢は、同じ東北である浪江町にとても親和性、共感性があるし(浪江からは仙台までは、車で1時間半くらい)、音楽シーンが多くスピード感のある展開は、楽しく飽きずに観られるというような狙いがあったのだろうなと感じる。
(映画泥棒の動画を、浪江町民出演でオリジナルで作っちゃう遊び心も)

なんかもう、愛しかないシネマイベントだったなぁと感じたのでした。

ちなみに、BLUE GIANT自体もすごく良くって、いいなぁと思った声が、出始めの頃から見守っていた間宮祥太朗くんだったのもなんかうれしかったですね。
もちろん、サントラ版を買って帰りました♪

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山根 麻衣子(ローカルライター)
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