人間の分際
人間には老いや病気があるからこそ謙虚になれる。 やればできるなんて思い上がり。
「人間の分際」 By曽野綾子
少し前、たまたま自宅リビングにあった本が目についた。
誰が買ったのかは定かではないが、
今、まさにこの言葉が必要だったのだろう。
著者は幼少期よりカトリック系の教育を受けた女性作家。
文面や思想から老年期のマダムなんだろうなと感じた。
夫や子どもたちとのつきあい方、他人との関係性を、自身も何回か大病をしたりもして、
日々の生活での気付きや学びを書き綴っておられたエッセイ集のような本だ。
人間の分際…分相応に生きる…
ちょうど今年、私の肉体使用年数が40年となり。
公私ともに、
これまで通りにはいかないことを、
強制的に突きつきられる事象がいくつか起こった。
結果、生き方を変えるためのお知らせ現象でもあり、ターニングポイントにもなったのだが。
色々思うところがあった。
まさに、ミドルエイジクライシス。
ミドル、つまりは中年の、クライシス、崩壊。
これまで信じていたことや正しいと思っていたことが違ったことに気が付いたり。
今までのやり方が通用しなくなった。
人生再設定の段階である。
希望を持つことは大切だが、
執着になってないかがポイントで。
特に人間が一番執着するのは考え方であり。
人はなかなか考え方を変えられない、
とブッタも言っていたらしい。
その執着を取り除くのは、
周りへの信頼だったり、感謝だったりするようで。
確かに、自分には感謝が足りなかったかも、
なんて傲慢だったのだろうと痛感した。
若いうちは何者かになっていいと思う。
てか、やるしかない。
特に才能やコネがないのであれば、
ひたすら経験を積み重ねていくしかない。
そうやって死に物狂いでやってきた自負はあったが。
もうさすがにこのやり方は心身ともに消耗がスゴすぎると痛感した。
断れば不義理になる、
申し訳ないし、
もしくはご縁や成長のための機会損失になる…
そんなこんな、たいていのことは全て引き受けてきたが。
いやいや、さすがに無理あるだろw
本当にご縁があるならまた来るし、
それで切れる縁ならそれまでやし、
そもそも、カラダ壊してまでやる価値あるのか?
そんなん、国家レベルの損失やわwww
自分を予後1ヶ月の人みたいに思いなさいとアドバイスを受けて、ハッとした。
マジか、私そんなにヤバかったのか。。
ようやく、自分の置かれてる状況がわかった。。
自分の中で優先順位の高くないものも含めて、
全てにおいて、イチイチ全部、
命賭けてる場合じゃないんだなと。
自分がこれで死んでもいい!
命を賭けてまでもやりたい!ということにのみ、
一点集中して全力投球したらよいのよね。
もう何者かになる時期は終わったわ。
十分やりきった。
なんか、そんな気付きがあった曽野綾子さんの著書でした。
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