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京都に失恋

朝、エアビーで泊まったおうちの奥さんと挨拶して出発。
少し雑談ができて楽しかったけど、こちらが「京都人」という先入観で疑心暗鬼になってるせいかわからないけど、すごく柔らかい雰囲気で感じがいいのに、本心がよくわからない気がしてきて不安になった。

教えてもらった、宿のすぐ隣の有名なお寺に参ろうと思っていたけど、お腹が空いたのと、行ってみたかった誠光社(小さな独立系書店)も近かったから、そちらの方面までまず歩くことに。
途中で素敵なアンティークショップもあった。


朝ご飯を食べようと思ったお店が結局ピンとこず、先に誠光社に行ってみて、お昼にオープンするおいしそうなカレー屋さんに行くことにした。

誠光社はすっきりした感じの新しそうな本屋さんで、小さなお店だけど棚にみっしり本が並んでいて、一通り見るのにかなり時間がかかった。
フォローしている方がおすすめしていた洲之内徹のエッセイを思いがけず見つけて、読んでみることにした。
新百姓のVol.2も出ていた。

「買えなければ盗んでも自分のものにしたくなるような絵なら、まちがいなくいい絵である」。かつて小林秀雄が「今一番の批評」と称賛し、美術エッセイ「気まぐれ美術館」で人気を博した洲之内徹。
陰惨な戦争体験を引きずり、癒すことができない飢えを抱えながら、屈託のある達観の文を書いた。振り返られることが少なくなった異才の随想を、稀代の美術評論家・椹木野衣が選りすぐったコレクション。  

Amazon紹介文より

雑誌『新百姓』とは?
CapitalismからCreativitismへ
資本主義システムによって封じられた人間の創造性、その解放を促す問いと余白を探求する雑誌です。

HPより


カレー屋さんは想定よりお高めだったけど、すごくおいしかった。お店の雰囲気もお店の人も感じがよくて、いい時間を過ごせて大満足。


鴨川沿いに北に歩いて、前からたまに通っている喫茶店に到着。
平日の開店直後だったからか、お客さんは私一人で、普段はアルバイトらしき子に接客してもらっていたのが、今回は初めて店主らしきおじいさんだけだった。
こちらが挨拶してもろくに返事を返してもらえず、終始見張られているような感じで、落ち着いて楽しめなかった。
老舗のお店にはいろんなお客さんが来てさぞ大変だろうとは思っていたけど、自分もそういう客としてあしらわれてるんだろうかと悲しくなった。


その後、出町座の本屋さんで初めて富永先生の本を発見した。
(富永京子さん:立命館大の先生で、社会運動などの研究をされている方、として知っていた)

“権利を主張する"は自己中? 言っても何も変わらない?
デモや政治への違和感から、校則や仕事へのモヤモヤまで、意見を言い、行動することへの「抵抗感」を、社会学の研究をもとにひもといていく、中高生に向けた5つの講義。
身近な「わがまま」と社会をゆるやかにつなげ、意見の異なる人々と、社会をつくるための入門書。

Amazon紹介文より

そう言えば誠光社に↓もあったけど、これは冨永先生のだと気付かなかった。最新のこっちを買ってみたらよかった…



楽しいこともたくさんあったけど、今回は初めて、京大への憧れだけでなく彼らの愛校心に感じる悔しさ、京都人の本音の見えなさ(打ち解けたつもりが独りよがりかもしれない不安)、自分はもう学生でも住人でもなく、この町に歓迎される者ではないという感覚とか、全部私の思い込みでしかないもののちょっとずつ悲しいことがいくつか重なって、なんか辛い気持ちにもなった。

帰ってからゲーム中の夫の手を止めさせて、全部聞いてもらった。
ホラーゲームをされるとただでさえ低いテンションが余計に下がるので、『龍が如く』に変えてもらった。


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