見出し画像

「搾取」が気になる

『搾取』が自分にとってキーワードになっているように感じるので、言語化してみる。

私の関心の対象は、身近な人間関係(家族、友人、パートナー、職場)や、企業‐消費者間の搾取あたりがメインかなと思っている。

なぜ他のことではなくこれが引っかかるのか、どういうものだと思っているかを整理したい。


私の課題感、仮説

誰でも持っている関係性の中で、かなり当たり前のように搾取は起こっている。というか、バランスの取れていない人間関係の方が多そうな気もする。
なのにそこは科目として教育を受けることもなく、法律が追いついていない部分もあって、弱肉強食状態になっていることが多い。

教育の中では「いじめはいけないこと」みたいな思想は学ぶけど、方法論を勉強しない。
結果、建前としてだけ身に着ける人も多く、社会は本音で動くことになっていて、そこに適応できずに搾取される人がたくさん出ている。

「搾取はだめだよね」ということだけじゃなく、「搾取とは何か」「なぜいけないのか」「どうしたらそれをしないようになれるか」というところまで、ちゃんと義務教育の課程で学ぶべきなんじゃないか。

アサーションという概念を知ってからは、それを学ぶべきなんじゃないかと思って本を読んだり協会を調べたりした。
が、心理学の資格が必要な世界っぽく、自分はどう関われるのか、そもそもそれが学術的な世界でどういう評価をされているのかもわからないので、ここを掘り下げるべきなのか迷って止まっている。

アサーション
「自他を尊重する自己表現」などと説明される。
どちらかの主張が通りもう片方が我慢するのではなく、お互いの主張を出し合ったうえで共有できる部分を見つけるようなコミュニケーションを目指す。(と私は理解しています)



搾取の定義


ネットでぱっと調べてみた中で、私が想定しているものに近いと感じた定義はこのあたり。

3.他人に帰属すべき権利利得不正侵害したり取得したりすること。優越的立場を乱用他人を使役して不当利益を得ること。人を自分本位に、または非倫理的に利用すること。

ウィクショナリー日本語版

本来他人のものになるはずのものを自分のものにすること。

goo辞書


私が身近に感じる、なくしたい搾取

私が実際に「搾取」というワードについて考えるのは、優しい人、気が弱い人、真面目な人、無知な人が搾取されるままになっているときで、モヤモヤや苛立ちを強く感じることが多く、自分はかなりそこにエネルギーが向くんだなと思う。

例えば「誰もやりたくないことが特定の人に押し付けられている状態」や、「"本人の自由意志による行動"であることを盾に、中毒性を刺激することで重課金を促し続けるサービス」などに出くわすと、ものすごく嫌な気分になる。
(コンプレックス商材みたいな、勝手に問題を生み出して解決せずにいられないようにしてくるような広告とかメディアも嫌いだけど、これはまたちょっと違う?)

相手の特性に付け込んで、自分だけ得をし続けようとする。さらに、その益をもたらしてくれる相手にろくに感謝していないことが多い(むしろちょっとバカにしてたりする)のも、最悪だなと思う。(自分含め)


なぜ対処がされないままここまで来ているのか?

  • 不平等があっても、いい思いをする側に回れば自分には害はない、そちら側に回る努力をすればいいと考える人が多いから?

たしかにそうだけど、そういう場はだいたい常に弱者を必要とするから、もとの弱者がもしそこからいなくなったら、代わりの弱者が残りの中から選ばれるだろう。
自分も簡単に弱者になりうる状況だろうから、やっぱりその構造自体をどうにかした方が絶対いいじゃんとしか思えない。
(そういう意味では「競争」も、「搾取」と合わせて引っかかるキーワードだなと思う。「強者/勝者」がいなくなると、平和になるのでは?それが社会主義か。)

  • その搾取の構造が固定化されていた方が、いちいち交渉や調整をせずに済んで楽だから?

確かに、全員が本当に対等な力関係で、負担をどう分け合うか決めなきゃいけない局面は実際すごく面倒くさい。
みんなが似た価値観を共有してればまだなんとかなるけど、そうじゃないことの方がおそらく多い。

アサーションの本を読んでいざ実践しようとした時も実際かなり労力が必要で、よっぽど大事な相手としかこんなに頑張ろうと思えないかも、と思ったし。





社会主義でうまくいった国はないから、社会の構造自体を変えようとするアプローチはきっと相当難しいというか、やるならものすごいうまい仕組みが必要そうだ。
(今のテクノロジーで実は可能そうな気もするけど、それを施行していい権力はそうそう認められなさそう)


アサーションは社会の構造自体を変えるものじゃないけど、それが普及することによって搾取されにくい人が増えれば、結果的に搾取は減らせる気がする。
(本来は搾取する側をどうにかすべきだと思うけど、そういうのは法律の世界の話になるんだろうか。権力が絡んでしまうからいろいろ難しそう。
と思うと、やっぱり搾取されやすい人を支援するアプローチが一番現実的に思える)

他に搾取に対抗する有効な方法として検討されていることもあるだろうから、それも知っていきたい。




いいなと思ったら応援しよう!