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2024.5.14『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んだ

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」読了。めちゃめちゃ、読んでよかった。私が会社員を辞めた理由はまさにこういうところにあったから、めちゃくちゃタイムリーだった。

著者の三宅さんのことはツイッターで知っていて、その活躍ぶりにもかかわらず2つも年下であるということにショックを受けていた。はりあってしまう自分が恥ずかしいけど事実だ。
自分が面白いなと思うジャンルで、私よりも短い時間で実績を出せていることがうらやましい。私もそうなりたかったのに、私はそれよりも長い時間がありながら、何をしてたんだろうと思ってしまう。
わかりやすい成果を目の当たりにするとそういう気持ちになってしまうことがちょくちょくあるけど、実際はその成果は私が想像する輝かしい面意外の側面もあるだろうから、そう簡単に決めつけて憧れてうらやましがるものでもないんだろうとは頭ではわかる。
それに私の人生自体には悔いはないから、人の成果を見て自分のこれまでを否定する必要はないということも冷静になれば理解できる。
私には私だから果たせる別の役割があったんだろうし、これからもあるはず。
大雑把な推論だけで勝手に落ち込むのはもったいない。
自分の人生に、ものすごい幸せを感じた輝く部分がたくさんあるのは知ってる。誰も知らなくても私はそれを知ってる。
たくさんの人に知られるって要素はなかなかないから、そこでかなりのうらやましさを感じるんだろうな。


本を読んだら劣等感がさらに強くなってしまうのではとも思ったけど、大丈夫だった。すごさが具体的にわかって、納得したというか。
私が漠然と悩んでいたことで具体的な問いを立てたり、その因子となりそうな要素を具体的に調べたりする力がすごい。参考文献もたくさん読んでいそうだった。
自分のぼんやりした悩みに新しい観点をたくさんくれた。すごい。

やっぱり社会学的な観点って不可欠だ。今の社会の仕組みに自覚的になるのは難しい。その社会に没頭してるうちは、辛いことは自分のせいに思えてしまう。
けどそうじゃない、そうじゃない時代・社会があったことがわかると安心する。
私個人の問題じゃなくて、社会の仕組み自体にその課題が生まれる理由がある。
今の社会に蔓延している空気、それを生み出す構造から抜け出られれば息ができるし、どうすべきかを考えられる。
自分が就職(就活)に感じていた違和感や恐れがなんだったのかを理解するための鍵をいくつかもらった感じがする。

そして、会社員を辞めてから毎日どこかで感じていた焦りからも、抜け出せそうな兆しが少し見えた気がする。
会社員を辞めてからも、「仕事的な活動」にある程度の時間を費やすことを優先していた自分を、客観的に理解できた気がする。
悩んでいるときは、何かの枠にとらわれているとき。その枠が何かわかれば、苦しみの仕組みがわかれば、もう苦しまなくなる。


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