【連載】息子の日本語教育 8~9歳
この2021年は怒涛の一年でした…
父が末期がんと診断され、コロナ禍に出国禁止令が出ていたオーストラリアから半年以上帰国することになりました。
色々と書類をそろえ、幸いなんとか帰国できることになり、その間、息子は私の母校に通わせることに。
この回は主に日本での体験を記録しています!
息子、日本の学校初体験
ちょうど3月末に帰国し、2週間の自宅隔離生活を経て、4月から3年生として通えることになったのは不幸中の幸いでした。
入学申し込みの際、幼馴染のお友達と同じクラスにしてもらえるようお願いしたところ、考慮していただけて感謝!
持ち物を揃えるのに苦労しました。
ランドセルは友人が厚意でお古を譲ってくれたものの
給食袋、体操服&袋、お道具類&袋、上履き&袋、鉛筆、色鉛筆、クレヨン、筆箱、音楽のカバン、リコーダー、習字セット…
一度にそろえるのはかなりの出費!
学校からのお知らせも、当たり前ですが海外から来る家族を想定していないので
突然「明日絵の具セット/ピアニカ/粘土いるんだって!」
と言われて、何度近所のスーパーに走ったことでしょう…
これらを自分で持って、一人で歩いて学校に行くのも、
雨降っても暑くても親が迎えに来てくれないのも
何もかも初めての体験!
親の私も初体験ですから緊張しました…
最初の1か月は門まで送迎してあげたりもしましたが、その後は友達もできて一緒に登下校してくれるようになりました。
日本の子って、ずっと自立していて逞しいですね!
日本語力、急成長!
年齢通り3年生として転入しましたが、学校が始まってすぐのころはもちろん苦戦しました。
会話は普通にできるものの、日本の学校特有の専門用語?がわからない。
登校、下校
上履き、下駄箱
正門、裏門
昇降口(私も聞いたとき一瞬意味がわからなかったです…)
4月にいきなり2年生の復習テスト、学力テストと続き、大体20点から40点。
「全然できなかった…」と本人も半べそかいていました…
2年生でシドニーへ引っ越してすぐにコロナになったため、日本語補習校に通わせそびれたこともあり、漢字はかなり読めるけど書けない状態でした。
算数も計算はできるけど、文章題がイマイチ理解できなかったり、「式」の意味がわからなくて解き方を説明したり。
私は「まあできなくても当たり前」と思っていたのですが、親としてできることは自信をつけさせる声かけ!
①共感
「あー悔しかったね~!」
②承認
「でもオーストラリアから来て初めて日本の学校で勉強して、それだけでもすごいことだよ!」
「ちゃんと図や言葉で説明するのも、だれでもできることじゃないよ?」
③自分で考えさせる
「どうしたら、次はもっといい点とれるかな?」
これ、いきなり②や③から入っても、息子の場合、効果が半減するんです。
下手に褒めすぎても素直に受け取らないタイプなので…
まずは話を聞いてもらえた!という安心感を与えたい。
それから、自分のダメな部分も受け入れてもらえ、本人が納得する形で承認された!と思ってもらいたい。
毎日漢字の宿題が出るのですが、
「うーん、字が汚いな…鉛筆の持ち方気になるな…枠からはみ出まくっている…」
と気になっても
ぐーーーっとこらえて
「自分から宿題やって偉いじゃーん」
「この字は枠内にちゃんと書けてるね!この字は見やすいね!」など、
まずは「できているところだけ」「具体的に」褒めてから
「次はもうちょっとキレイな字見たいなー」と促してみたり。
すると、お友達が放課後すぐ「公園で遊ぼー!」と誘いに来ても、
「宿題終わったら行くから!」と断ってました(笑)
1学期後半になるとその成果がしっかり出てきて、ほとんどの科目で80点以上を連発。国語や漢字テストも100点が取れるようになりました。
最後の漢字50問テストは「絶対100点とるぞー!」と意気込んで「ママ!僕に漢字クイズ出して!」と頼まれたので、とことん付き合いました。
しかし、このテストの日、息子の帰宅後第一声は
「ママ…今日最悪だったよ…」
えー?頭真っ白になっちゃった?と思ったら
「漢字テスト…98点だったよぉ~クラスで2位!超悔しすぎる!!!」
えー!すごいじゃん!とすぐ褒めてあげてもよかったのですが、
①共感「そっか~かえって悔しいよね!ママもその経験あるよ!」
②承認「でも、3か月しか日本の学校行ってないのに、大したもんだよ!ママの期待以上!頑張ったから余計悔しいんだね」
③さらに共感「で、何間違えたのかな?あー「泳ぐ」の「永」を「氷」って書いちゃったんだね!ママも同じ間違いしたことあるなぁ。
…と共感、承認、共感のサンドイッチで褒めてみました(笑)
さらに「どうしたらもう間違えないかなぁ」と考えさせられたら、もっとよかったかも?
コーチングを学ぶ前は「すごい!がんばったね!」ぐらいしか、語彙力がなかったんですね。
それが悪いわけじゃないのですが、いつも「すごいね」だけだと子供によっては「何がすごいの?ママいつもテキトーに褒めてない?」と感じることもあるとか。
上記に書いた声かけが絶対にベストというわけじゃなく、
今は、どうしたらこの子にとって一番響く褒め言葉になるか?をよく考えて言葉を選ぶようになりました。
このように考えられるようになったのは、この「褒める力」講座を受けてから。ご興味ありましたらご一読くださいませ!
日本のテレビ番組にはまる
最近は日本のテレビはつまらない、YouTubeに負けている!なんて言われていますが…
オーストラリアと比べたら、やっぱり面白いです!
日本語学習にもとてもいい影響が。
まず字幕が多い。
漢字も自然に読めるように!
数か月もすると一緒にニュースを見ていて、
「この人はだれ?ヨーギシャ?」
「ジュウショウシャってどういうこと?」
「ユクエフメイシャって何?」
「今日はカンセンシャ何人?」
語彙力が高くなってきました!
そして息子がいつも楽しみにしていたのは
日本のバラエティ番組とCM。意外とアニメはあまり見なかったです。
息子が好きだったバラエティ番組で小学生におススメできるのは
・オトラクション
・あなたは小学5年生より賢いの?
・Youは何しに日本へ?
・世界!ニッポンに行きたい人応援団
・炎の体育会TV
これらの番組のおかげで、
Jポップに馴染み、一般常識の知識を増やし、日本の良さを再認識!
こうやって同じ番組を見て親子の話題にできるっていいな、と改めて感じました。
漫画を大量購入
日本に来て漫画を買わないわけがありません。
シドニーの図書館ですでにハマってしまっていたドラゴンボールを初期の頃から大量購入。しかしうっかり完全版を買ってしまい、重い思いをしました…
なんと今でも話が続いているって知ってましたか?
ただし、初期の頃はちょっと卑猥な描写があり、おススメしません。
私たちが子供のころは許されていたのを忘れておりました…
そして学習漫画。こちらのサバイバルシリーズは本当におススメです。
科学や人体の不思議を漫画で楽しく教えてくれる優れもの。
6冊ほど古本屋で購入しましたが、学校の図書館でも借りてきて読んでいました。
重いので今回は買いませんでしたが、「〇〇の歴史」シリーズもよく学校から借りてきていました。
教科書がすべて漫画なら、みんなもっと勉強が好きになるのでは?なんて思います…
私も大学受験のとき、お世話になりましたし…
おススメの漢字ドリル
あれだけテストのために頑張って覚えた漢字。
帰国前のお土産に、お友達からこちらのドラゴンドリルをいただきました!
1ページ終わってシールを張っていくとドラゴンができあがるという男子心をくすぐる構成になっています!
自分でも探してみたら、ドラクエの「ゆうしゃドリル」なんてのもありました!
女の子には「すみっこぐらし」がよさそうですね。
男の子向けが多いのは、それだけ男子はコツコツ勉強するのが苦手ということかもしれませんね…
父は、結局私が帰国して2か月半ほどで亡くなってしまい、
その後も色々な手続きに追われ大変ではありましたが、無事に孫に会わせることもできたし、息子の日本語が大いに伸びたことは、不幸中の幸いでした。