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【キャリアチェンジ#2】退職に悩んだ時は、「続けるデメリット」に目を向け、「戦略的先延ばし」を取り入れてみて

沖縄在住、多拠点心理カウンセラーの下地(しもじ)です。

※「多拠点心理カウンセラー」とは、複数の場所や役割を持ちながら活動する私の働き方を指しています。自分で勝手に作った言葉です。詳しくは、自己紹介をお読みいただけると、嬉しく思います。


私が運営しているカウンセリングルームでは、「仕事を辞めたいけど、なかなか踏み切れない」というご相談をよくいただきます。

そこで今回は、そんな方々に向けて、「仕事を辞めたい」と思ったときに考えておきたい視点についてお話ししたいと思います。 



「仕事を続けるメリット」の罠🫧

日々、「退職」が頭をよぎりながらも、同じような状況を何年も続けている。そんな方も多いのではないでしょうか。

そして、そうした状況にあるときは、つい「仕事を続けるメリット」だけに目を向けてしまっているということがよくあります。

「続けるメリット」としてよく挙げられるのは、次のようなものです。

📍収入
📍安定性
📍キャリアの持続

「続けるメリット」は明確で理解しやすいですよね。

また、心理学的に言えば、「ここまで頑張ってきたのだから、辞めるのはもったいない」という感情が影響している場合も少なくありません。

これをサンクコスト効果と言います。

サンクスコストとは?
ここでいうサンクスコストとは、仕事においてこれまで必死になって頑張ってきた労力、時間、費用など取り戻せない資源のことを指します。

「ここまで必死で頑張ってきたのだから、辞めるのはもったいない」という感情。この感情にとらわれると、「今ここで辞めたら、これまでの努力がすべて無駄になってしまう」と感じてしまいます。その結果、辞めたい気持ちがあっても現状にしがみついてしまうことが多いのです。

辞められない理由を「目的論」で考える🫧

さらに、アドラー心理学の視点から言えば、こうした「退職を考えながらも何年も同じ状況を続けている」という行動には、何かしらの目的があると考えることができます。この考え方は「目的論」と呼ばれ、嫌われる勇気でお馴染みのアドラー心理学の中心的な概念です。

では、退職を考えながらも仕事を続ける目的とは何でしょうか?

そのひとつに、「辞めた後、次にどうするかを考えることを避ける」という心理的な防衛反応が挙げられます。

つまり、現状を維持することで、次の一歩を考える不安や負担を回避しているのです。この心理は決して珍しいものではなく、多くの人が無意識のうちに抱えているものです。しかし、これが結果的に、長い間現状を変えられない原因となってしまうこともあります。

「仕事を続けるデメリット」について🫧

一方で、「続けるデメリット」について考えたことはありますか?それは曖昧で見えにくいもの。ですが、そのデメリットがあなたの心身や未来にどれほどの影響を及ぼしているかを考えることは重要です。

🌱続けるデメリットの具体例🌱

  1. 精神的負担
    📍不満やストレスが積み重なり、自己肯定感や日々の幸福感を下げる。
    📍「辞めたい」という気持ちを抱えたままの日々は、心のエネルギーを消耗する。

  2. キャリアの停滞
    📍 本当は別の道を進みたいと思っているのに、一歩を踏み出せずに現在のキャリアに縛られてしまう。
    📍新しい挑戦のタイミングを逃し、結果的に将来の選択肢を狭めることに。

  3. 心身の健康への影響
    📍ストレスや長時間労働が原因で体調を崩すリスク。
    📍健康を損なえば、結果的に仕事にもプライベートにも悪影響が及ぶ。

私が実践した「戦略的先延ばし」🫧

私は公務員を退職し、多拠点心理カウンセラーへとキャリアチェンジをしました。その際、退職を決断するにはやはり大きな勇気が必要でした。

衝動的に辞めることだけは避けたい。そう考えた私は、退職までの猶予期間をあえて設けることにしました。この期間を私は「戦略的先延ばし」と名付け、計画的に次のステップに向けて具体的に準備をする時間としたのです。

期間は1年間です。

🌱「戦略的先延ばし」の具体的な取り組み🌱
この期間に私が行ったことは、大きく分けて以下の3つです。

  1. 理想の人生を逆算して考えた
    自分が本当に望む生活とは何かを徹底的に掘り下げました。働き方、家庭での時間の使い方、もし本当に心理カウンセラーに転身したらどんなカウンセリングを通じて社会に貢献したいのか。一つ一つ具体的にイメージすることで、自分の理想に近づくための道筋が見えてきました。

  2. 具体的な準備に着手した

    • リサーチ:スクールカウンセラーや個人事業について調べました。

    • 事業計画の作成:個人事業を始める準備として、事業計画を立て、早速ホームページの作成も開始しました。

  3. 実際に動いてみた
    公務員なので副業は禁止です。なので、無料体験カウンセリングを実施し、実際のニーズや自分の適性を確かめました。やりながら感じた課題をリストアップし、一つずつ解決することで前進できる実感を得ました。
    またスクールカウンセラーの仕事は、調べると来年度の募集が10月には始まることが分かりました。そこで10月には募集要項を取り寄せ、願書を提出し、時間休を取って面接を受けに行きました。

以上のことを、夫以外の誰にも言わずに、水面下で進めていました。やるべき事が増えたのにもかかわらず心は軽くなり、ワクワクした感情が溢れてきました。自分の世界が広がっていく感覚が、充実感をもたらしてくれました。

🌱「期間を決める」重要性🌱
「戦略的先延ばし」を成功させるポイントは、期間をあらかじめ決めることです。私の場合、2年間ぐらいは「どうしよう~🌀」と迷いのなかで動けずにいました。しかし、その時の本心は「前に進む事が怖かった」から、悩みの中に留まることで自分を守っていたんだと思います。けれど留まるだけではいつまでたっても何も変わらないと気づき、1年間は手探りでも前に進んでみようと思いました。期間を決めることで、だらだらと時間を浪費せず、具体的な行動に集中することができました。

さらに、実際に動く中で「自分がどれほど本気で退職を考えているか」次の一歩に向けてどれだけ努力できるか」を自問自答し続けました。すると、自分の本音や覚悟が次第に明確になっていったのです。

「退職」は勢いではなく、計画的に🫧

退職って、本当に大きな決断ですよね。だからこそ、退職を決断するときには注意が必要です。勢いで辞めてしまうと、後から後悔する可能性もあります。

また、「現状が嫌だから辞めたい」といった気持ちが強いときは、それが単なる現実逃避でないかどうか、一度立ち止まって考える必要があります。

「続けるメリット」と「続けるデメリット」

その両方を冷静に見極め、計画的に行動することで、きっと後悔の少ない選択ができるはずです。「戦略的先延ばし」は、こうした感情の整理や計画的な準備のための時間を確保する方法として有効です。

🌱「試してみる」ことで見えてくる答え🌱
「戦略的先延ばし」の期間は、ただ漠然と過ごすものではありません。実際に行動してみることが最も重要なんですね。

もし、この期間にいろいろ試してみた結果、「やっぱり現状の仕事が自分には合っている」と感じたのであれば、退職を見送るという選択をするのも自然な流れです。それは決して失敗ではなく、むしろ一度じっくりと自分自身を見つめ直した成果と言えます。

一方で、行動する中で「やはり退職の方向で気持ちが固まっている」と感じたならば、その時に退職を決断しても遅くはありません。焦る必要はなく、「自分のタイミングで決断する」ということが何よりも大切です。

🌱「戦略的先延ばし」の期間、頑張った私🌱
振り返ってみると、私の「戦略的先延ばし」の期間は、今思えば異常なほど頑張っていました。通常のフルタイムの仕事や子育てをこなす日々の中で、コツコツと退職後の準備に毎日のように何かしら取り組んでいました。その過程で、自分の本気度が少しずつ自分自身でも分かるようになっていきました。

例えば、無料体験カウンセリングを実施してみたことで、ご相談者様から感謝や前向きな反応をいただきました。その瞬間、「私のカウンセリングは必要とされている」という感覚が、これまでの不安を少しずつ埋めていったのです。そして、実際に動きながら試行錯誤する中で、やりたいことや進むべき方向が徐々にハッキリ見えてきました。それまでは「退職したい」という漠然とした気持ちが先行していましたが、具体的な未来像が少しずつ形になっていったのです。

それは、ただ「辞めたい」から動いているのではなく、退職後に何をしたいのか、そのビジョンが明確になってきた瞬間でもありました。自分が心からやってみたいと思う仕事を選び、必要とされる実感を得ながら働くイメージが、少しずつ現実味を帯びてきたのです。

そして、10月頃には私の心は完全に吹っ切れていました。もう養護教諭という職業に100パーセント未練はありませんでした。やり切った感もありました。

そろそろ人事異動の話が始まるなぁという頃、私は自信を持って「今年度の3月末をもって養護教諭を退職します!✨」と、校長先生に伝えました。

その時の私の吹っ切れた姿を見て、校長先生は驚きながらも「応援する」と力強い激励の言葉をかけてくれました。さらに教頭先生は、少し戸惑った様子でしたが「なんか、すごく羨ましい…」と本音を漏らしていました。

思わず笑ってしまった瞬間でした😅

🌸そして迎えた新たなスタートの日🌸

私は無事に3月31日付けで公務員を退職し、翌日の4月1日に北那覇税務署に個人事業主になるための開業届を提出しに行きました。ドキドキしました。その瞬間、これまでの人生とは大きく異なる新たな一歩を踏み出した実感がありました。

よく晴れた爽やかな日でした。

学校給食ではなく、外でランチを自由に食べられる嬉しさを噛み締めました。

いつもは憂うつな春が、ワクワクした希望の季節に変わりました。

その日を境に、これまで無料で行っていた体験カウンセリングを有料に切り替え、さらにスクールカウンセラーの仕事もスタートしました。まさに「戦略的先延ばし」の期間で地道に取り組んできた準備が、このスムーズな移行を可能にしてくれたのだと思いました。

「戦略的先延ばし」の期間中に積み重ねた準備や努力が、ただの「退職」で終わるのではなく、「新しい挑戦の始まり」へ繋がっていたのだと改めて感じました。

退職に悩むあなたへ伝えたいこと🫧


時間は取り戻せません。

退職を決断することには本当に勇気がいります。しかし、もしあなたが今の仕事が自分に合っていないと感じていてとても苦しい思いをしているなら、あなたが持っている貴重な「時間」という資源を今後どう使っていくかを真剣に考えることが、より良い未来を作る第一歩になります。

一度、「続けるデメリット」に目を向けてみませんか?

そして、「戦略的先延ばし」の期間を設けることで、納得感のある人生を踏み出してみましょう😊

つたない私の経験談ですが、この記事が読んでくださったあなたの一歩を踏み出す力になれば幸いです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。



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