【日本のロックバンドを熱く語る】くるり
長年活動している中で、次々にバンドメンバーや構成を変えていくという意味ではかなり特異なロックバンドであるくるり。え、今3人なの?みたいな。
わたしは彼らが商用ビルの上になどにある小さなステージで無料ライブをしていた頃からのファンだ。
そしてギターヴォーカルの岸田繁さま(同学年)の大ファンでもある。あのメガネ姿がタイプだ。
今はどうなのか分からないけれど、長い間このバンドも「くるりってバンドがあって…」みたいな話を誰かにしても、は?何のこと?という反応しか返ってこないようなマイナーなロックバンドだった。
代表曲はばらの花だと思われるが、その他にも、映画音楽担当なども手掛けてきた、実力派バンドだ。
特に圧巻だったのは、アンテナというアルバム。
Good morning Go back to chaina ロックンロール
花の水鉄砲など、様々な世界観の楽曲が収録されている名作だと思っている。
岸田さんが京都市出身のため、バンド自身も京都に造詣が深い。
わたしは岸田さんの楽曲を理解するためだけに過去三回も京都に住んだことがある生粋の大ファンだ。
本当に、京都はいい街だ。
ジュビリー。
もう行かなくちゃ このバスに乗れば間に合うはず
そこはまだまだ灰色の空 曇り窓に指で描いた花弁
岸田さんの感性はとても豊かで、歌詞に出てくる表現描写も心地よい感じだ。とくにスローテンポのバラードのような曲によく活かされている。
わたしの大好きな曲をあと2曲ご紹介したい。
春風。
かなり初期に作られた曲だが、春らしい穏やかな楽曲だ。
個人的に春が好きなのもあるかもしれない穏やかな作品。
言葉を一つ一つ探して
花の名前を一つ覚えてあなたに教えるのです
溶けてなくなった氷のように
花の名前を一つ忘れてあなたを抱くのです
東京。
この曲も初期の曲だがファンの間では有名で、ライブでも必ず歌われてきている。
イントロのソロギターが泣ける曲だ。
東京に出てきたばかりの若者が、故郷に残してきた恋人を想う、切ない気持ちを歌っている曲だ。
彼はときどき、彼女に電話しようかとふと考える。
でもやはり、毎回しないでおくのだ。
君がいるかな 君とうまく話せるかな
まぁ、いいや でもすごく辛くなるんだろうな
君が素敵だったこと思い出してみようかな
思い出してみようかな
君がいるかな 君がいるかな
東京は、くるりには珍しいストレートなラブソングである。
後世に受け継がれる名曲の一つだと思う。
くるりがあれだけバンド編成に拘るのは、自分たちが求める音楽への妥協なき姿勢だと思っている。
岸田さんは簡単なことでは納得できない人なのだろう。彼は音楽家にして芸術家。そこがいいと思う。
岸田さんのライブパフォーマンスは独特で、敢えてこの言葉を使うとしたら、やや奇妙な感じでゆらゆらと踊るようにしながらギターを奏でながら、時に悲痛とも言えるような表情で歌を奏でる。
くるりはわたしが大好きな日本のロックバンドでも、かなりの時間と労力をかけて追い続けてきたバンドである。これからも、メジャーになどならずに、己の道を貫いていって欲しいと思っている。