コンヴィヴィアリティのための道具

何も書けないままで居るより、noteして行くのを続ける方がましだ、と言うことで、最近推薦して頂いたイリイチの本から、書いて見る。

イリイチによれば、科学上の発見は少なくともふたつの相反する利用の仕方があると言う。ひとつは、機能の専門化と価値の制度化と権力の集中をまねく仕方、もうひとつは、それぞれの人間の能力と管理と自発性の範囲を拡大する仕方である。

これは、日本の教育の歴史の中で生まれたふたつの教育の仕方にもあてはまると思う。ひとつは、大きな集団を相手に1人の教師が教鞭を取らなければならなかった時代に生まれた教師主導型、もうひとつは、子どもの自発性に重きを置き、個人を見られる限度の中で教育を行う子ども主導型である。

この限界が認識されると、個々の子どもと教育と新しい共同性(環境との相互作用)との間の三者関係をはっきりさせることが可能になるのではないか。

現代の科学技術が管理する人々にではなく、政治的に相互に結びついた個人に仕えるような社会、それをイリイチは、自立共生的(コンヴィヴィアル)と呼ぶ。

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