雨の朝に
雨続きは身体がきついなぁ。
髪の毛を軽くひっぱりながら、雨の音を感じる。頭が痛い時、髪の毛をひっぱりたくなってしまうのは、私だけなのだろうか。
「雨の日は世界の元気がしゅんってなるね」
ポップな感じで先生の顔を描こうー、とか言いながら、さっきまで数学のノートの隅に落書きをしていた女の子が、ふと言った言葉にドキッとする。
素敵な表現するねぇとほめながら、一緒に問題を解く。そんな朝はとても平和。
雨の影響を受けるなんて、昨年まではあんまりなくて、雨がもたらす不調よりも、「雨のにおい」によって自分の感性がちょっとだけ研ぎ澄まされる、そんな季節が訪れるのを期待して、少しワクワクさえしていた。
こうやって、小さな感覚が変化していく。振り返ると大きな変化が起こっている。それはきっと、悪いことでも良いことでもないのだと思う。
「この1年で先生と一緒に勉強した12冊のノートを家で全部積み重ねてみたよ。」
何年か経った後、そのノートたちがどうなっているかは分からないけれど、その蓄積が、素敵な感性を際立たせる知性の一部になって成長を支えてくれたら、それは本当に幸せなことだと思う。この先どんな変化があっても、それらは確実に本人の中に残っていくものだ。
一人ひとり、いつも遠くから会いに来てくださる、その時間をもっともっと大切に。改めてそう思った雨の朝でした。
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