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日日是好日(シャンプーボトルの思い出)

最近の私は(今更ながら)断捨離をよくしている。
洋服、本棚、食器棚など…おかげさまで子育て真っ最中の家にしては片付いているかと思う(というか、断捨離しすぎて片付ける物がなくなったのかもしれない)。

そんなある日、数年前に買ったシャンプーボトルが目に入った。全体がブリードしてしまっており、正直見た目はだいぶやばい。ちょうど最近、新しいシャンプーを買ったのでそれに変えようと思っていた。

なのに、いざそのシャンプーボトルが空になったとき、私はそれを捨てることが出来なかった。それは決して高価なものではない。「ポンプの色(深緑)がお風呂場の雰囲気にあいそうだな」と思って地元のドラックストアで購入したものだ。

ただ、私がこのシャンプーボトルを捨てられない理由は、きっと母との思い出がつまっているからだ。

私の母は77歳になり、認知症(初期)の診断を受けている。今年の春には大腿骨を骨折し、手術と長期の入院もした。
そんな母がこのシャンプーボトルを買ったほんの数年前はまだまだ元気だった。当時は仕事が早く終わることが多かったので、地元に寄っては母とよくご飯に行き、ぶらっと商店街を散歩したものだ。その時に一緒にふらりと寄ったドラックストアで買ったのがこのシャンプーボトルだ。

(私)「これ、家のお風呂にあうかも。買おうかな」
(母)「いいんじゃない?この花柄も素敵だね」

そんなたわいもない会話をした気がする。
いま仕事帰りに「ご飯に行こう」と誘ってもきっと母は「私は大丈夫だから」とあの時のように颯爽とスタスタと歩いて来てはくれないだろう。寂しいがそれが現実であり、親の老いを受け入れるということなのかもしれない。

母のことがあり、最近は親と過ごす時間がより有限に感じるようになった。来年も一緒に桜が見れるだろうか、誕生日を祝うことが出来るだろうか。それは誰にもわからないが、時間が許してくれる限りで親孝行をしていこうと思う。

#断捨離 #捨てられないもの #母 #思い出 #感謝

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