月曜のニュースレター
LOBSTERRというニュースレターを月曜の朝に読んで(毎週月曜の7時くらいに配信される)、週末の間にすっかりたるんだ思考を指圧のようにぽちぽちと押しながら、1週間を考えきる頭にチューニングしている。
週に1度の配信なので、速報性が重視されるコンテンツは皆無だ。事象を掘り下げたり、関連性をつかむべく横に広げたり、関係のない別の点だと思っていた事柄とコネクトしたコンテキストを発見したり。上下左右斜めに思考が動き出し、といってもたいていはふんふんと読み流しているのだが、時々何度か読み直してしまう記事があって、熱いコーヒーと共に少しばかり頭に負荷をかける。
思えばウィークデイは「いかに時間をかけないか」がテーマだ。条件反射でできる仕事もあるし、そうでないものもゴールに速くたどり着く方法が優先順位として高い。そのために必要な大量の情報を効率よくインプットし、いらないものは選別していく。仕事である以上ゴールは必ずあり、たどり着くことが前提で、そこから逆算し、どの道をどう進むか考える。
大量の情報から険しそうな道だと判断すれば装備を揃え、ぬかるみの位置をよくよく確認し、滑りそうだと予測した時には歩幅や体の向きを変化させるなど、道に自分をアジャストする。
一方LOBSTERRが届けてくれるのは、「これを読んだあなたは何を考えるか」だ。ゴールがないから逆算もない。結論も正論も存在せず、何を考えるかだけが突きつけられる。
読後の逡巡。知らなかったことを知り、ただし自分の言葉ではまだ話せない借り物の知識を持つ時間。初めて考えたことの言葉への変換。
自分を形づくる言葉の出だしを紡ぐ時間と言ってもいいかもしれない。ウィークデイの道を進む自分とはまた別の、常にゼロ地点に立つ自分。
そうか。「たるんだ思考をウィークデイへ押し戻す存在」と思っていたけれど、そうではなく、ゼロの状態に引き戻してくれるのだ。足元を怒涛のように流れる数多くのニュースを配信する媒体にはできない、問いかけスタイルの週一のニュースレター。読み始めてから、月曜の朝がそれほど嫌ではなくなったという副作用にも感謝しながら、週明けに何を読めるのかをまた楽しみに週末を過ごす。
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