maikana

フリーランスライター、翻訳

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最近の記事

2008年のコラム、中高生女子が決起したデモの話

以前、書いたコラムの原稿が偶然出てきた。もう10年前だよね。米国産牛肉反対デモ。まるで今につながりそうなのに、朴槿恵大統領時代なんかを間にはさんでいる。なんかいろいろ考えてしまいますね。 .................................................................................................................................................

    • 韓国人のオヤジの味

      又来屋の冷麺 냉면   by いとうじゅんこ   季節のある街に暮らす人々は、それだけで豊かだと思う。季節ごとのファッション、季節ごとのレジャー、そして季節ごとのメニュー。夏はやはり冷麺やコンククスだろうか。街の小さな食堂なども、6月になると一斉に「冷麺開始」の張り紙が出る。  そんな話をすると、必ず「あれ、冷麺は冬の食べ物じゃないの?」という向きがいる。確かに、朝鮮時代の「東国歳時記」(洪錫謨著1849年)」という本には、冷麺が「11月(新暦の12月にあたる)の季節料理」

      • 三一節の思い出

        韓国で暮らして、何回となく経験してきた3・1節。この日になると、いつも思い出すのは、1991年3月1日、韓国で暮らして初めてのその日のことです。初めてなので、やはり緊張していましたね。当時は今よりずっと反日感情も強かったし。以下は6年後に書いたコラム。もう20年前のものですが、再掲。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  6年前の3月1日のことである。私はその日の前日から緊張していた。韓国で暮らして半年あまり、初めて迎える「3・1節」であ

        • 114年ぶりに市民のもとに戻った龍山米軍基地

          東亜日報の日本語版にも記事が出ていた。 ソウル市は龍山にある米軍基地の見学ツアーを始めるという。 「龍山基地は、日露戦争があった1904年、日本が朝鮮駐箚軍司令部の駐屯地とした場所だ。光復(解放)後に米軍の駐屯地になり、韓国戦争直後には32万人を超える米軍兵が駐留した。このため100年以上民間人の出入りが統制され、韓国人にはソウルの中心にある”禁断の地”になった。」 25年ぶりに基地から見た風景は違っていた  「禁断の地」ではあったが、基地内に入ったことのある民間人も

          崔吉城著『米軍慰安婦の真実』を読んで

          崔吉城先生のテーマは、いつも興味のストライクゾーンに入ってくる。先に書かれた『朝鮮出身の帳場人が見た慰安婦の真実』もそうだったし、植民地における宗主国の建築物に関する比較研究もそうだ。オリジナリティのあるテーマが、独自の調査と思考で論じられていく。韓国関係の本はいささか食傷気味でもあるけど、崔先生は特別だ。いつも最優先で読み、そして考える。 この本も何度も読んで、ずっと考えている。 少年が見た米軍慰安婦の村 生まれた村が米軍慰安婦の村になった物語は、著者の幼少期の体験から始

          崔吉城著『米軍慰安婦の真実』を読んで

          ガイドブックを掘る、韓国の旅4

          初期のサムギョプサルとか  昨日のサムギョプサルの話をしたら、早速、反応をいただいた。「1997年留学組、サムギョプサルをめっちゃ食べました」って。そうそう、その頃は新村の一角がサムギョプサル横丁とまで言われていた。韓国人は熱しやすいので、何かブームが始まると一気に広がる。さすが大陸、まさに燎原の火の如し。最も影響を受けやすいのが学生街の安食堂だ。もともと家業へのこだわりなどないので、テージカルビがきたらそれ、タッカルビがきたらそれ、サムギョプサルがきたらそれ。変幻自在だ。

          ガイドブックを掘る、韓国の旅4

          2011年の原稿が出てきた。

          メールを掘っていたら、古い原稿が出てきた。これ、東京新聞に連載してやつだ。文字数オーバーなのだけど、「面白いので切らずに載せます」という担当者さんからのメッセージ。懐かしかったので、以下再掲。 韓国の時代劇ブーム 韓国は相変わらずの時代劇ブーム。現在は「広開土王」「武士ペク・トンス」「階伯」「姫の男」の四本が放送中。韓国の連続ドラマは週二回だから週に八枠にもなる。 「日本では水戸黄門も終わるのにどうして?」と、日本人によく聞かれるが、不思議なのは、その日本でも韓国時代劇

          2011年の原稿が出てきた。

          ガイドブックを掘る、韓国の旅3

          わずか5pのグルメページ、謎のメニュー  1982年8月発行の『韓国の旅』(KKワールドフォトプレス)は全211ページ中、食に関するページはわずか7pだ。そのうちに2pが「韓国の味」と題した韓国料理の解説文、5pがレストラン紹介である。  「韓国の味」の冒頭の解説文はこんな感じ。「韓国料理といえば、辛いイメージが強いがすべてがそうではない」「目と器で楽しむ料理を楽しむ日本食に比べ、韓国料理はボリュームと自然食が主体」「スープ、キムチ類などはサービス品して出てくるのも嬉しい

          ガイドブックを掘る、韓国の旅3

          ガイドブックを掘る、韓国の旅2

          バリ島で見つけた36年前のガイドブック  古いガイドブックを見つけたのは、ウブド(バリ島)の古本屋だった。洋書ばかりの中にあった「韓国」という文字、引っ張り出して見たらガイドブックだった。青いのでブルーガイドかなと思ったら、版元が違う。発行は「ワールドトラベルブックス」、「1982年8月25日改訂14刷」とある。バリ島に行ったのだって20年も前のことで、そこで見つけたさらに昔のガイドブックが今、手元にあるこれである。  後で調べてわかったのだが、実はこのガイドブックこそが

          ガイドブックを掘る、韓国の旅2

          ガイドブックを掘る、韓国の旅1

          20年分のガイドブックを並べてみた 昨日、ツイッターで古いガイドブックの話をしていて少々心が乱れた。長らく中断していた仕事を思い出したからだ。それはガイドブックの歴史を掘るという作業。ツイッターではゆうきさんが、2003年の韓国ガイドブックのホンデ(弘大)地図と現在の地図画像を比べて、ホンデの範囲がとても拡大していると言っていた。画像には見覚えがあった。あれはたしか…、地図の地色とスケールのとり方で想像がついた。  それは老舗のガイド出版社の新シリーズだった。装丁は女性向け

          ガイドブックを掘る、韓国の旅1

          ガイドブックの旅

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