リベリアにいる後輩
Facebookで、クラウドファンディングのリンクがシェアされてきた。リベリアの元少年兵に農業の職業訓練を実施し、農園を開園して自立支援を促すらしい。唐突だ。
発信元は、高校の後輩だった。彼女はいま、リベリアでインターンシップをしているらしい。随分突飛だな。母校は女子校なのだが、女子校だからなのか活きの良い奔放な女が多く、日本にいない同期がちょいちょいいるのは事実だが、リベリアというのはかなり際立っている方ではないだろうか。正直、アフリカ大陸なところまでは想像がつくが、具体的な場所まではスグに浮かばない。Googleマップで検索してみたら、アフリカ大陸の西の方だった。アフリカ大陸を右を向いた頭蓋骨に見立てるなら、後頭部の下の方といった感じ。東側にコートジボワールという国があり、その更に東隣りがガーナだ。ガーナなら名前だけは聞き覚えがある。
彼女のインターンシップ先はCamp for Peaceという、草の根的なNGO団体らしかった。屈強な色黒の男性スタッフたちに交じって、小柄な彼女が笑顔で写っている写真がFacebookに上がっていた。あの華奢な体躯のどこにそれほどのエネルギーと行動力があるのだろうと感服する。正直、私には真似できないので、彼女の笑顔はとても眩しく、こちらまで照らされているような明るい気持ちになった。
この手の平和活動は、社会的な負の連鎖を断ち切るための地道な教育と、教育のあとの実践、たとえば就労による経済的な自立が、軌道に乗り安定するまでのアフターケアが重要だ。これはアフリカ大陸に限ったことではなく、例えば日本の貧困家庭にだって同じことが本来は言えるはずだ。新たな物を学ばなければ、現状を変えたり打破することは難しい。知らない事を実践する事は難しいのだ。そして学んだことを使って、新しい生活にしっかりと定着しなければ、ずるずると慣れ親しんだ元の状態に戻ってしまう。
Camp for PeaceというこのNGO団体が行っているのは、まさにそんな活動だった。農業に関する職業訓練、つまり教育と、農園の立ち上げ、そしてその後のモニタリングやフォローアップまで責任を持って行っているらしい。
しかし、先立つものには金が必要だ。教育は青空の元ではできないし、農業には機械が必要だ。どんなに美しい理想も活動も、真心だけでは実現しない。資金集めという点において、NGO団体も苦慮しているようだ。そこで彼女は、自身が日本人であることを利用して、日本から寄付を募れないか挑戦中なのだ。支援の可能性を拡げるという意味で、その試みは面白いと思う。日本語というのは、外国人からしてみたらそれだけで障壁なのだから。
目標金額を見たら、たったの60万円だった。何百人もの協力が必要な額ではない。友人づてで上手いことSNS等で拡散したら、達成できるのでは?そう思ってしまう。この額で教育用の廃屋の改修、農業機具などの購入ができるらしい。
費用の使い道をよく見ると、集めた額の12%をクラウドファンドの運営サイトが持っていくらしい。結構な額だ。それを明示してくるあたりに、彼女の小気味よい性格が見える気がした。
この活動で、実際に人生の転機を得られるリベリアの若者は数人程度なのだろう。ひょっとしたら、挫折してしまうかもしれない。でも私は、教育によって、見た事も無い国のどこかで、誰かが未来に希望を持つことができるという夢が見たかった。写真で見た彼女の力強い笑顔が、その夢を遠いリベリアまで届けてくれるはずだ。
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「リベリア元子供兵に希望を!キャッサバ農園で自立をめざす!」の支援は下記のリンクからできます。
https://readyfor.jp/projects/campforpeace