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四国迷子(9) 邪念
最終日。時間があまりなかったので、空港に移動するまでの時間、栗林公園へ行ってみた。作り込まれた庭がきれいな公園で、観光名所となっているけど、わたしは正直ここはわざわざ来るところでもないかなと思ってしまった。
だからといって、他人に「ここ行かないほうがいいよ!」と言うつもりはまったくなくて、自分の好みには合わなかったと、そういう事を言っておこう。
日本らしい庭園は、きっと海外から来た人にはいいのだと思う。あと、ビルしか見えないような大都会から来た人にとっても癒しになるのだと思う。だけど、普段北海道の大自然の中で暮らしていて、大きい公園にたいして心を動かされたりしない自分にとってはそれほどのものじゃなかったということだ。
これは好みの問題だ。あと旅で見たいものが何なのかにもよる。わたしだって旅に出る前は「○○ 観光 オススメ」とかって検索かけて行くところをぼんやり計画はするけどさ、オススメって言葉ほど無責任な言葉もないなって思った。
自分が「いい」と思ったものを他人にオススメする。だけどそれはあくまで自分の好みで「いい」と思ったものであって、赤の他人にも「いい」と思ってもらえるものではないからだ。万人に愛される完璧な場所などない。
ではここで、この栗林公園でわたしが一番気になっていたことを教えてやろうか。それは「一人旅の男子」だ。まったく不埒なことだけど、わたしは公園散策中に、お洒落で感じが良さそうなひとりぼっちの男子を見つけて、そのあと距離を置きながらなんとなく着いて行ってたんだよ。キモチワルイな。その男子、すごく高そうな一眼を首から下げて、スタッフの人に積極的に質問をしたりしてさ、わたしはそういうとき「声をかけてみようかな」ってちょっとだけ思うんだよ。変な下心はなくて、話をできたらいい思い出になりそうだし、気が合えばトモダチにはなれるかもしれないと淡い期待をしている。
でもどうなんだろうね。一人旅の男子は同じく一人旅の知らない女に突然声をかけられたりしたら迷惑なんじゃないかな。わたしが一人で旅に出るのは、他人と行動していたら見たいところが見れないと思うからで、限られた時間なら有効に使いたいと思うから。もしわたしが一人旅の男性に声をかけられたりしたら・・・うーん、人によるか。好みに合えば話すし、何か嫌だなって思わせるような人ならゴメンナサイって言っちゃうかな。じゃあ、今わたしはこの男子に声をかけるべきじゃないな。
わたしが感じのいい美人だったらいいけど、そうじゃないもんな。ちょっとでも関わるならせめて「いい思い出」にしてもらいたいから、今はその時じゃない。だいたいわたしは今お洒落な格好をしていないし、ほぼノーメイクだ。変な女に声かけられて迷惑だったって日記に書かれたくないもんな。そう思って公園を一周して、途中でだんごを食べたりしながらその男子のことをやんわり追い回した。ごめんなさい。
公園を出て、付近に面白そうなところもなかったので、バスに乗って早めに空港へ向かった。ここでダメ押しのうどんを食べた。今更ながらに思ったんだけど、わたしそんなに讃岐うどん好きじゃないな。これも全く好みの問題だと思うんだけど、わたしは讃岐うどんのコシの強さがダメみたい。
うどんは好きだよ。うどんかそばかって言われたら断然うどん。だけど讃岐うどんより、ある程度コシはあるけど柔らかめの氷見うどん(富山)のほうがいい。讃岐うどんがなんであんなに有名なのかって言ったら、そのコシの強さもあるけど、何よりリーズナブルってとこなんだろうな。外から来る人より、おそらく地元の人に愛されている。安いなら食べ比べが好きって人にもウケそう。
栗林公園を早く引き上げたせいで(と言うか、わたしの計画性のなさが原因なんだけど)時間が余ってしまった。空港内をウロウロしてお土産を見たりしたんだけど、うまく時間をつぶせない。空港で暇って言うのは嫌だよね。ああ、でも今もあるかわからないけど、空港内のファミマの隣に「ダシの出る蛇口」があって、それが面白かった。すごく美味しかったんでおかわりした。これが結構印象的で、この四国の旅で何が一番思い出に残ってるかって言ったらこの蛇口(笑)なんのこっちゃ。
そんなわけで、3泊4日で無理矢理四国周遊の旅はダシを飲んで終了。何度旅に出ても一向に旅のやり方が上手くならない。悩ましい。