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それでもこうして もがいて行くしか無い
【試合結果】
8/2(金) 阪神タイガース
●2-4
[勝]村上
[敗]ジャクソン
[S]岩崎
2回に今日一軍登録された #林琢真 選手の犠牲フライで1点を先取するが、中盤6回に一挙4点を奪われビハインドの展開に。
— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) August 2, 2024
終盤8回に代打 #宮﨑敏郎 選手のタイムリーで1点をかえすも、その後は相手の継投の前に封じられてしまい、連敗ストップならず...#baystars pic.twitter.com/DqXdIcDqNS
8/3(土) 阪神タイガース
◯10-4
[勝]山﨑
[敗]岩貞
初回に3点を失うも #オースティン 選手の3ランアーチですかさず同点に追いつくと、1点を追う展開となった6回に #オースティン 選手のこの日2本目の一発で同点とし、7回には #佐野恵太 選手の一打で待望の勝ち越し点を奪う!… pic.twitter.com/7E00fMr1ns
— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) August 3, 2024
◇ ◇ ◇
結構忘れられがちなんだけど、どんな時でも今日は昨日の続きになっている。
寝るたびに終わって、起きるたびに始まっているような錯覚。
そんな気がしているだけ。
だから私は、今日の話をする前にまず昨日のことから始めたい。
◇ ◇ ◇
連敗が続くとどうなるか。
分かりやすいのが、出てくるリリーフの顔ぶれが変わるところ。
勝っている展開で出される投手は決まっている。
となれば点を追う展開で名前を呼ばれる人も、あらかた決まってはいる。
連敗が始まる前の試合、先発のジャクソンが熱中症で緊急降板したのが7月19日。
その翌日から、オールスターを挟んで9連敗。
この10試合のうち6試合に登板したのが、佐々木千隼。
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先発が序盤から崩れて、大量失点してしまった時。
投手がスリーアウトを取りきれなかった時。
同点の展開で出された若手リリーフが打たれた時。
「ピッチャー、佐々木」
こちらが俯いてああまたかとため息をつきたくなるような展開になると、千隼の名前が読み上げられる。
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チームカラーがそうさせるのかは分からないけれど、横浜の投手陣は感情をストレートに出して相手打者に向かっていく選手が多い気がする。
その中だと殊更に千隼の常に静かな佇まいは際立っているし、ついじっと見つめてしまう。
ロジンを多用するので、千隼の周囲にはたびたび白い煙が生まれてゆらめいている。そのゆらめきと表情の変わらなさが対照的だなあ、なんて思ったりもする。
最速で140km/h台のストレートと、スライダー、チェンジアップ、フォーク。
全てを織り交ぜながらゾーン内にテンポ良く投げる。
そして来た時とほぼ変わらない表情で、マウンドを降りる。
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負けが連なるうちに、彼の揺らがなさ、表情の変わらなさに励まされている自分に気付いた。心が散り散りになりそうな悔しさも、FLASHの歌い出しがが聴こえてくるとすこしだけ落ち着けた。
舞う落ち葉が 地に着くまでの
刹那的な速度に近くて
今シーズン、ここまで13登板、投球回は17.2、防御率は2.04。
イニング数が登板数よりも上回る中で2点台の防御率に収めている。
千隼が支えてくれているこの日々は、チームが報われるその日のためにある。
全員の力で勝って、ヒーローインタビューを終えて。
勝利を祝う花火が次々に打ち上げられ、スタジアムの中はその余韻の煙で満たされる。
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私はそれを眺めながらずっと、あの立ち上るロジンの白煙を思い出していた。
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