緊張を楽しむ芸人はオーディション受かる説
お笑いオーディションライブのスタッフをした時。私は舞台に出る直前の芸人さんに1組ずつ「頑張ってくださいね」と声をかけるようにしていた。
この時「ありがとうございます」と返してくる人は余裕があって、舞台に上がっても勢いが良く合格する確率が高い。
オーディションを受からないにしても感じがいいと、先輩の目に入りライブに呼ばれたりする。
しかし。私が「頑張ってください」と言っても、無言。というより余裕がなく、私の言葉なんか耳に入ってなくて、目もどこへいってしまっている人は、まぁ受からない。なんならネタも飛ばしたり、頭が真っ白になって退場してくる。(コレが結構多い)
よくよく考えてみてほしい。自分の心に余裕がないとお客さんの反応を無視してネタをすることになる。いくら練習して、その通りできたとしても、「お客さん」がいる時点で、その空気感や間を取り入れる余裕がないと、それはあくまで練習発表会なのである。
ネタを間違えないようにするのは大切だけれども。
もし失敗したとしても、僕たちはそれすら笑いに出来るぞみたいな自信に満ち溢れている人は、オーディション組にはもういなくて、次のステージに立っている。そんな人はある程度はライブで司会なんかもできちゃう人たちだ。
この人達は違うなと思ったのは
「頑張ってください」と言った時
「ありがとうございます!!ちゃんと見といてくださいね!!」
と堂々としていて、受かるから見てろよ!!とも思える発言を返してきた芸人さん。
そりゃ。もちろん受かりまして。
カッコイイわー。これは大物になるわー。と思ってました。
そんな彼らは今や大人気の芸人さんでM-1出場の常連。
そうですよ。そりゃ、そうなりますよ。納得しちゃう。
私はオーディションの審査をする側には回ったことはないけれど。
スタッフとして近くで彼らの行動を見て、審査は納得の結果が多かった。
目の超えた作家さんは、心の余裕なんかも、ネタを見れば、すべてお見通しでオーディションの審査していると思います。
この子はライブに出した時どうなるだろうと考えた時に想像できない人ってダメだと思う。
私が思うに「頑張ってください」の一言。
それを受けとめれる人はファンができた時に「頑張ってください」って沢山言われ、その言葉を糧に頑張れちゃうので、もう無敵。
まったく聞く耳持たずで、頑張ってるのに「頑張れ」ってなんやねん。という卑屈な人にファンはつかないよなーと。
人生、緊張することも多々あるけれど。
その時、余裕があるか。余裕がないか。
これで評価や出来高は違ってくるというのを私はお笑いを通じて学びました。
いつも心に余裕を。
次回【優勝を狙いすぎてない余裕から見る2019年のM-1 ミルクボーイ優勝の面白さ】
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