幼馴染との再会、10年の時を越えて
私は、まい、23歳のOLです。今からお話しするのは私が10年ぶりに幼馴染と再会し、甘くて切ない恋に落ちた体験記です。
この夏に起きた、忘れられない出来事です。
幼馴染りょうとの思い出
私の幼馴染、りょうは、私より一つ年上で幼い頃は隣の家に住んでいました。りょうは活発で明るい男の子でいつも私を楽しませてくれる存在でした。
一緒に近所の公園で遊んだり、夏には花火をしたり、冬には雪だるまを作ったり。りょうは、私を笑顔にしてくれる天才でした。
特に物真似が上手で、近所のおじいさんやおばあさんの真似をして、私を笑いの渦に巻き込んだものです。
「まいちゃん、見て!お隣の鈴木さん、また庭の手入れしてるよ。こうやって腰をかがめて...あはは!」
りょうのそんな姿は、今でも私の心に焼き付いています。
ある夏の日、りょうは私に秘密を打ち明けました。
「まいちゃん、実はさ、僕、まいちゃんのことが好きなんだ」
突然の告白に、私は顔を真っ赤にしてしまいました。りょうは、少し照れながら、私の反応を待っていました。
「り、りょうくん...私も...その...」
私は、自分の気持ちを伝えようとしましたが、その時、りょうの家の呼び鈴が鳴り、りょうは家に帰らなければなりませんでした。
「ごめんね、まいちゃん。また明日、続き聞かせて!」
りょうは、そう言って家へと走っていきました。
私はりょうの背中を見送りながらドキドキした気持ちを覚えています。
しかし、その翌日りょうは突然引っ越すことになりました。
りょうの家族の転勤で遠くの街へ移ることになったのです。
「まいちゃんごめんね。急にいなくなっちゃって。また会えるよね?」
りょうは涙をこらえながら私にそう言いました。
私はりょうの手を握りしめ笑顔で答えました。
「うん!絶対また会おうね!りょうくんのこと忘れないよ!」
そう言って私たちは別れました。
それ以来りょうとは会うこともなく、10年の月日が流れたのです。
10年ぶりの再会
時は流れ、2024年8月。
私は23歳になりOLとして働き始めていました。
仕事帰りのある日、私は繁華街を歩いていました。
「今日も暑かったなぁ...。早く帰って、冷たいビールでも飲みたいな」
そんなことを考えながら、人混みを歩いていると突然聞き覚えのある声が聞こえてきました。
「まいちゃん!久しぶり!」
その声に私は足を止め振り返りました。そこには信じられない光景が広がっていました。
「り、りょうくん...?」
目の前には10年ぶりに見るりょうの姿がありました。
少し大人びた雰囲気になり、背も私より高くなっていましたが、あの頃の面影が残っていました。
「りょうくん...本当にりょうくん?信じられない!」
私は驚きと喜びで、声を上ずらせながらりょうに駆け寄りました。
りょうも、私を見つけて、驚いた表情をしていました。
「まいちゃん!変わってないね!相変わらず可愛いなぁ!」
りょうは、昔と変わらない笑顔で、私に話しかけました。
私は、嬉しさと懐かしさで、胸がいっぱいになりました。
「りょうくんも!大人になったね!でも、全然変わってないよ!」
私たちは、10年の空白を埋めるように、笑い合いました。
「ねぇ、りょうくん。どうしてここに?まさか、私に会いに来たとか?」
私は、期待を込めて、りょうに尋ねました。りょうは、少し照れながら、答えました。
「実は、今日、この近くで仕事の打ち合わせがあってさ。早く終わったから、懐かしい場所を散歩してたんだ。まさか、まいちゃんに会えるなんて思わなかったよ!」
りょうの言葉に、私は運命を感じました。
10年の時を越えて、また会えたなんて。
「ねぇ、りょうくん。少し話さない?近くにいいカフェがあるの」
私は、りょうを誘い、近くのカフェへと向かいました。
カフェでの会話
私たちは、カフェの窓際の席に座り、冷たいドリンクを注文しました。
店内は落ち着いた雰囲気で、ゆったりとした時間が流れていました。
「ねぇ、りょうくん。10年も経ったなんて信じられないね。
りょうくんは、今、何してるの?」
私は、りょうの近況が気になっていました。りょうは、少し考えてから、話し始めました。
「僕はね、今、建築関係の仕事をしてるんだ。大学を卒業して、この街に戻ってきたんだよ。まいちゃんは、どうしてるの?」
りょうは、私のことも気にかけてくれていました。私は、自分のことを話し始めました。
「私はね、OLとして働いてるの。この近くの会社で。毎日、頑張ってるよ!」
私は、りょうに自分の成長した姿を見せたくて、誇らしげに話しました。りょうは、私の話を聞きながら、嬉しそうに笑っていました。
「まいちゃん、大人になったね。でも、昔と変わらないところもあるよ。相変わらず、可愛いなぁ」
りょうは、私の髪を軽く撫でました。その仕草に、私はドキッとしてしまいました。
「り、りょうくん...そんなこと言ったら、照れちゃうよ...」
私は、顔を赤らめながら、ドリンクを飲みました。
りょうは、そんな私を見て、クスクスと笑いました。
「ねぇ、まいちゃん。昔話、たくさんしようよ。あの頃は、本当に楽しかったよね」
りょうの提案に、私は嬉しくなりました。
「うん!そうだね!あの頃は、毎日が冒険だったよね!」
私たちは、昔話に花を咲かせました。近所の公園で遊んだこと、夏祭りで浴衣を着たこと、りょうが私を自転車の後ろに乗せてくれたこと。思い出話は尽きることがありませんでした。
「りょうくん、覚えてる?あの時、私が転んで、膝を擦りむいたこと」
「あぁ、覚えてるよ!まいちゃん、泣きそうな顔してたよね。僕、慌てて家まで送って、お母さんに手当てしてもらったんだよ」
りょうは、私の話をよく覚えていてくれました。私は、りょうの優しさに触れ、心が温かくなりました。
「りょうくん...ありがとう。あの時も、今も、りょうくんがいてくれて良かった」
私は、りょうの手をそっと握りました。りょうは、私の行動に少し驚いた様子でしたが、すぐに優しい笑顔を見せてくれました。
思い出の場所へ
私たちは、カフェを出て、近くの公園へと向かいました。
ここは、私たちが幼い頃よく遊んだ場所でした。
「ここ、覚えてる?りょうくんとよくかくれんぼしたよね」
私は、公園の遊具を見ながら、りょうに話しかけました。りょうは、懐かしそうに頷きました。
「覚えてるよ。ここに隠れて、まいちゃんを探したんだ。まいちゃん、なかなか見つからなくて、焦ったなぁ」
りょうは、楽しそうに笑いました。私たちは、公園の中を歩きながら、昔話を続けていました。
「ねぇ、りょうくん。あのブランコ、まだあるかな?」
私は、公園の奥にあるブランコを指さしました。りょうは、私の手を取り、一緒にブランコへ向かいました。
「まいちゃん、乗ってみる?昔みたいに、一緒に漕ごうよ」
りょうは、ブランコに座り、私を隣に誘いました。私は、少し照れながら、りょうの隣に座りました。
「うん...乗ってみる」
私たちは、ブランコを漕ぎ始めました。ゆらゆらと揺れるブランコは、私たちを幼い頃の記憶へと誘いました。
「りょうくん、覚えてる?あの時、ブランコから落ちそうになって、りょうくんが助けてくれたこと」
「あぁ、覚えてるよ!まいちゃん、危うく転びそうになってたね。僕、必死で支えたんだ」
りょうは、ブランコを漕ぎながら、昔の出来事を思い出していました。私は、りょうの隣で、幸せな気持ちになっていました。
「りょうくん...ありがとう。あの時も、今も、りょうくんがいてくれて良かった」
私は、りょうの肩に頭を預けました。りょうは、少し驚いた様子でしたが、すぐに私を優しく抱きしめてくれました。
「まいちゃん...僕も、まいちゃんがいてくれて良かったよ」
りょうの温もりを感じながら、私は幸せな気持ちでいっぱいになりました。
夕暮れの告白と誘惑
公園を出て、私たちは夕暮れの街を歩いていました。空はオレンジ色に染まり、街の明かりが灯り始めていました。
「ねぇ、りょうくん。今日は、本当に楽しかった。ありがとう」
私は、りょうに感謝の気持ちを伝えました。りょうは、少し真剣な表情で、私を見つめました。
「まいちゃん...実は、僕、今日、まいちゃんに会えて、すごく嬉しかったんだ」
りょうは、真剣な眼差しで、私に話し始めました。
「10年前に引っ越してから、ずっとまいちゃんのことを想ってた。また会いたいって、ずっと思ってたんだ」
りょうの言葉に、私は驚きました。10年もの間、私のことを想い続けてくれていたなんて。
「りょうくん...私も...りょうくんに会いたかった...」
私は、自分の気持ちに正直になり、りょうを見つめました。りょうは、私の目を見つめ返し、優しく微笑みました。
「まいちゃん...僕は、まいちゃんのことが好きだよ。あの頃も、今も」
りょうは、私の肩に手を置き告白しました。
私は、りょうの真っ直ぐな想いに胸が高鳴りました。
「りょうくん...私も...りょうくんのことが...」
私は、りょうの告白に応えようとしました。
しかし、その時りょうの携帯が鳴りました。
「あ、ごめん。ちょっと電話に出るね」
りょうは、申し訳なさそうに、電話に出ました。
私は、りょうの会話を聞きながら、ドキドキしていました。
「はい、もしもし...あ、そうなんだ...うん、わかった...」
りょうは、電話を切ると、少し複雑な表情を浮かべました。
「まいちゃん、ごめん。ちょっと急用ができちゃった。また今度、会えないかな?」
りょうは、私に謝りながら、別れを切り出しました。私は、りょうの突然の申し出に、戸惑いを隠せませんでした。
「え...うん...わかった...」
私は、りょうの言葉に、ただ頷くことしかできませんでした。
ホテルへの誘い
りょうは、私に別れを告げると急いで歩き出しました。
私は、りょうの後ろ姿を見送りながら、複雑な気持ちでいっぱいでした。
『りょうくん...どうしたんだろう...』
私は、りょうの電話の内容が気になっていました。りょうは、何か私に隠しているように見えました。
『もしかして...りょうくん、彼女でもできたのかな...』
そんなことを考えていると、りょうが突然立ち止まり振り返りました。
「まいちゃん、ごめん。実は、僕...」
りょうは、何か言いかけて言葉に詰まりました。
私は、りょうの様子に、不安を覚えました。
「りょうくん...どうしたの?何かあったの?」
私は、りょうの肩に手を置き、優しく声をかけました。りょうは、私の目を見つめゆっくりと話し始めました。
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