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目に見えぬ、人類の敵たち

日本人を、2つのグループに分けることができる。

春が好きな人と、嫌いな人だ。

それを分けるものは何か。花粉だ。


花粉症は、日本人の国民病と言ってもいいほど、私たちを毎年悩ませるものである。もはや、風物詩になっているのではないか。

そんな小さな粒子に悩まされる人々の中には、北海道や、沖縄に、花粉から身を守るため、非難するという人もいるらしい。わざわざ避難しようというのだから、花粉が私たちに及ぼすパワーは凄まじい。ん?ということは、日本の北国や南国には花粉症はないのか。この、毎年恒例の悩みがない世界なんて。信じられない。

小さい小さい、目に見えないヤツらは、魔法のように私たちを操る。鼻水、頭痛、喉のかゆみ、目のかゆみ。様々な症状を引き起こす。まるで人間を弄んでいるかのようだ。


そんな私も、弄ばれている一人だ。しかし、私を弄ぶのは花粉だけではない。私の場合、ハウスダスト、動物の皮膚もプラスされるのだ。多くの人は、杉やヒノキに悩まされ3月4月が特に辛いと聞くが、私は1年中鼻水を垂らしている。オールシーズンである。

つまり、私は鼻炎持ちであり、特に辛い時期は?と聞かれれば、5月のイネ花粉である。いわゆる花粉シーズンとは少しずれている。そう、まさに今!である。耳鼻科に通い、薬を飲み続け、少し改善されるものの、辛いものは辛い。喉に透明な鼻水が落ちてきたり、頭が重く感じたり、厄介者であることに変わりはない。

この、毎度毎度面倒臭いヤツらへのアレルギー反応を止めることはできないのか、なんとか完治できないのか、と図書館で「アレルギー性鼻炎のすべて!」みたいな本を読んでみたこともあるが、どうやら完治させることは難しいようである。なるほど、そりゃあよくテレビで、花粉症を防ごう特集がされるわけだ。

いつか、日本人がのほほんと、「やっぱり春は気持ちが良いねえ」なんて、ぼけ〜っと花見する世界になるのだろうか。なるとしても、おそらくそれはかなり先になりそうなので、これからも日本人はヤツらに翻弄され、長い付き合いとなることでしょう。私も点鼻薬を刺し続けるほかないでしょう。

と覚悟したのだが…

ついこの間、引っ越した。ベランダの窓を開けると緑が広がり、気持ちが良いなあーと伸びをしていると、突然くしゃみが。一回ではない。連続くしゃみ発生。よく目の前を見てみると…なんと、イネ科植物の大草原ではないか。

はいはい、これからも鼻水を垂らし続けますよ。一年中。