図書館司書になるにはどうしたらいいの?「なくなる」「やめとけ」ってどういうこと?
図書館司書は、図書館に関わる業務を行う専門職です。
この記事では、図書館司書として働いていた筆者が、図書館司書になるにはどうすればいいかご紹介します。
図書館司書に資格ってあるの?
図書館司書には、文部科学省が発行している国家資格があります。
資格のとり方は大きく分けて3つ。
図書館司書課程のある大学・短大に入学する
通信制大学に入学し、図書館司書資格が得られる科目を履修する
司書補資格を取得し、司書補として3年以上の経験を積んでから司書講習を受ける
筆者は、図書館司書課程のある大学を卒業して図書館司書資格を取得しました。
図書館司書資格は国家資格ではありますが、座学のみで教員などのような実習はありません。
筆者も必修科目の座学講義を受け、必要単位を取得しました。
講義内容は難しいものではないものの、図書を日本十進分類法と呼ばれる基準にしたがって分類する講義があるため、ただ講義を聞いていればいいわけではありません。
また、司書補という単語が出てきましたが、司書補は図書館司書の業務をサポートする役割の資格です。
こちらは、大学・短大などで講習を受けることで資格を取得することができます。
働きながら図書館司書になるには?
働きながら図書館司書の資格をとることもできます。
その一番の近道は、図書館司書過程のある通信制大学に入学することです。
図書館司書資格を取得するには、大学・短大・高専を卒業していなければならないのですが、それらの卒業資格を持つ人は、通信制大学で必要科目を受講し、単位を取得するだけで、図書館司書資格を手に入れることができます。
高卒の方も安心してくださいね。
同じく通信制大学に入学して図書館司書課程を修了すれば資格の取得が可能です(正課生として1年次から学ぶ必要があります)。
また、大学・短大などが定期的に開催する司書補の講習を受講し、修了することで司書補資格を得ることができます。
このあと司書補として2年以上の実務経験を積めば、司書講習を受講することができるのです。
この司書講習を修了し、計3年間以上の実務経験が認められれば図書館司書資格を取得することが可能です。
ユーキャンで図書館司書の資格はとれる?
社会人が図書館司書資格を取得するには、指定の大学や短大・通信大学で図書館司書課程を受講しなければなりません。
そういった事情もあるため、ユーキャンには図書館司書資格を取得するための講座は現時点では存在しません(2024年8月現在)。
図書館司書資格を目指す方は、文部科学省のホームページなどを参考に、お近くの大学や短大で図書館司書課程があるか調べてみてください。
図書館司書になるには?
実は、図書館で働くだけなら図書館司書資格は必要ありません。
理由は、多くの自治体が運営する公立図書館で、そのほとんどが図書館配属になった自治体職員で構成されているからです。
自治体職員の多くが図書館司書資格を持っておらず、図書館配属で雇用された非正規職員にも、雇用条件として図書館司書資格は求められていません。
筆者も非正規職員として図書館で働いていましたが、求人票には「図書館司書資格優遇」としか書かれていませんでした。
企業などが運営する図書館では、図書館司書資格を持っていることを条件として正社員を募集することもあるようですが、公立図書館ではこういったことはほとんどないと思ったほうがいいでしょう。
図書館司書の求人はどこで探すの?
図書館司書の求人は、ハローワークなどの職業安定所、indeedなどの求人サイトなどで探すことができます。
近くの公立図書館の求人はハローワークに出ていることが多いです。
筆者も、ハローワークで求人を見つけ、家の近くの図書館で働いていました。
一方で、indeedなどの求人サイトには図書館司書を全国の図書館に派遣する派遣サービスなどの求人も見られますので、働く場所などを考慮して求人を探してみるといいでしょう。
図書館司書として働くメリット
図書館司書として働くメリットは、なんといっても本に囲まれて仕事ができることです。
本好きにとっては天国のような仕事ですよね。
まず、図書館には毎日のように新刊が入ってきます。
ほかにも、返却された本や利用者さんからの問い合わせを通じて、普段は詠まないようなジャンルの新しい本との出会いがたくさんあるんです!
筆者の経験談ですが、利用者さんから返却されてきた本で気になるものがあったら、こっそりメモをとってあとで自分で借りていました(笑)。
図書館司書のデメリット
一方、図書館司書として働くことにデメリットもあります。
まず、給与面が安定しないということです。
先述の通り、公立図書館で図書館司書として働くには、その自治体の職員になって図書館配属を希望するか、非正規職員として採用されるかのどちらかになります。
ですが、公務員の倍率は高く、採用されたとしても実際に図書館に配属されるとは限りません。
確実に図書館司書として働けるのは、必然的に非正規雇用となりますよね。
しかし、図書館司書の給料はどの自治体でもお世辞にも高いとは言えません。
地域によっては最低賃金とさほど変わらないような時給も多く、フルタイムで働いても月に16万円程度というところも少なくはないでしょう。
筆者の働いていた図書館はフルタイムではなかったため、ボーナスでなんとかやりくりしていたような状態でした。
時給の低さを鑑みても魅力的な職業ではありますが、生活が関わるのでこのデメリットは把握しておいたほうがいいでしょう。
図書館司書がなくなるってどういうこと?
また、近年図書館司書という仕事がなくなるのではないかと言われています。
このきっかけは、前述した公立図書館に図書館司書資格を持たない自治体職員が多いという問題にあります。
図書館業務のメインは無資格の職員によって行われているため、専門職である図書館司書を必ず置いておく必要がないとされているのです。
図書館司書は高い専門知識を有しており、それは必ず図書館運営に役に立つはずです。
しかし、図書館司書を置かなくとも図書館運営ができているとみなされている現状から、図書館司書はいずれなくなると言われているようです。
まとめ
図書館司書になるためには、必ずしも資格が必要なわけではありません。
しかし、図書館司書資格は高い専門性が求められ、図書館運営には欠かせない存在です。
また、図書館司書とは、本の貸出や返却だけでなく、地域の人々の生涯教育を担う重要な職業です。
もしこれから図書館司書を目指す学生の方がいれば、ぜひ図書館司書資格の取得を目指してみてくださいね。
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