14. 人との付き合い方を考える3本
今回は、プロジェクトで大いにお世話になった大学生の友人Eからのリクエストです。
結構ずっとモヤモヤしてるんですけど、交友関係が浅くて。友達は「広く浅く」をモットーにしてる、というか結果的にそうなってるから受け止めてる節はあるんですが、たまーにその信念が突き動かされる時があるんです! 中高大とそれぞれのコミュニティで仲よい人はいたし中心にはいたけど、ソウルメイト的な人がいなくて。このままだと結婚式の友人代表スピーチとか絶対フられないだろうなあと思うんです笑 そんな私に「友情」とか「人との付き合い方」について考えさせられる三本見繕っていただけますか。
半分分かるけど、半分は自分とは違うなあという人付き合い観やなあという所感w 僕も基本的に人嫌いで、なんだかどこに向かってんだかわかんないし笑えもしない人との時間とか、ソッコー終わらせて一人になりたいタイプ(こんなん書いたら友達がなおのこと減るんだろうなあ…)なので、全然コミュニティの中心にもいないし友達も狭いし。ただその、結局だれに対してもホントはココロを開いていないんじゃないか??という空恐ろしさみたいなのは、すごいわかる。友達って、なに??みたいなね。そういう問いを自分の中に立てちゃう時点で、ひねくれ仲間だとおもうわw なので、真正面から「友情サイコー!」みたいな映画は、薦めません笑 なんなら、「友情って本当に必要なんだっけ」くらいの、問いを立てるような3本にしました。
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3月のライオン (前後篇)
2017年公開
監督 : 大友啓史
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若き棋士が、将棋に、過去に、人間関係に苦しみながら前進するお話。悔いの超え方の話。悔いにとらわれる人。悔いを受け止められない人。悔いを間違った形で無きことにしようとする人。悔いない人。いろんな「悔い」が出て来て、それに立ち向かう人の群像劇のようにすら見える。あのときあの手を指していなかったら。。。と思うのか、その悔いの手から先を見るのか。結局戦いのほとんどは、自らの悔いをどう超えて行くかなのかもしれないなあなんて。詰め込みまくりですけどなんとか着地。キャストは豪華で、テーマにしては映画館映えする重厚な作品でございました。トヨエツだけ「??」でしたが笑 そして一生はやっぱり良い演技。あとやたらロケ地がどこだかわかっちゃったなあ。桐山くんちも多分入ったことあるわ笑 いろんな煩わしい人間関係がたくさん出てくるけど、それを全て体のななめで受け止めながら、「俺には将棋しかねええんだよおおおおおおお」って言っちゃう神木零くんが、コミュ障でいい。この映画から学べる人との付き合い方の学びは、「友情は、熱中の副産物でいい」ってことですね。将棋に打ち込むがゆえに、人とぶつかり関わり悩み慕われ。でも零くんは、途中までは、自分から人と関わろうって全然してないんですよね。ただ、将棋に没頭しているだけ。まずは、それでいいんじゃないかなと思うわけでした。
グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
1997年公開
監督:ガス・ヴァン・サント
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天才的頭脳を持ちながら虐待のトラウマから心を閉ざす青年の、成長と自立のお話。初見ではないのですが、これは何回見ても、いいよね。主人公に、すごい共感するんだよね。自分をさらすのが怖くて、嫌われたくないから関わらなくて、失敗したくないからやらなくて、今の生活にしがみついて。「そんなに頭がいいのに、こんなに簡単なことにも君は答えられない! 君のやりたいことは、なんだ?」耳がいたいです。素直にならないと、やさしくなれないし、強くなれない。ベン・アフレック演じるチャッキーがウィルを突き放すシーンが、ヤバイ。親友って、きっとそういうことですよね。 あーいう親友が、自分にもいたらなあとか思う一方で、ちょっと面倒だなあとか思ったり笑 この映画から学べる人との付き合い方の学びは、「友情は、酒飲んでバカするだけでも十分」ってことかなあ。チャッキーとウィルは、別に、夢を共にするわけでもないし、苦難を共に乗り越えたわけでもなく、ただ、幼馴染で、ずーっとバカを一緒にやっているだけなんだけど、それだけでも、人はお互いを深く理解できるもんなのかもしれないですね。むしろ、まじめな間柄よりも、馬鹿やる間柄の方が人って、その人を理解するのかもしれない。だからあんまり、「浅い」とか「深い」とか、考えすぎずに、たのしい人と一緒にいればいいのかもしれないよね。
スタンド・バイ・ミー
1986年公開
監督:ロブ・ライナー
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仲良し4人少年の、ある2日間の旅を、主人公が回顧するお話。これは最後に主人公が打った、もうあの日々は二度と戻ってこないだろうっていう、そこに全て集約されるんだろうなあ。あんなに濃くて、時間がゆっくり流れていて、ケンカしたり、泣いたり、笑ったりしていたのに、もう会わなくなって、案外あっさり亡くなっていたり。なんか分かる気がする歳になってしまったということだろうね。切ない切ない。真面目な人とか頭のいい人って、なんとなく、はじめましての人と出会ったときに、この人とは長い付き合いになりそうとか、今日っきり会わないだろうとか、考えて決めつけがちで、後者認定した人と、最初っから深く付き合わなかったりするんだと思うんです。ただ、逆説的だけどこの映画を見ていると、友情は全くもって永遠じゃないってことなんだと思うし、それでいいんだと思うわけです。たったこの2日間、濃い関係で、そのあとなにも残らなかったとしても、その二日間は無駄じゃない。この映画から学べる人との付き合い方の学びは、「友情は、何より、”今”を大事にしていい」ってことだと思います。
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とかく友情とか人付き合いって、相手がいることで、かつ避けて通れないことだから、「べき論」が展開されがちで、そのべき論を展開してくる人も、自分にとっては人付き合いの地続きの上にいるから変な力みとか気使いがかかわってきたりで、こんなに世の中にあふれているのに、全然本音で語られてないような気すらするトピックなんだと思うんです。冒頭僕が人嫌いwっていうことだって、「それを描くことによる人付き合いの変容」がさらにそこから起こる可能性もあるわけで、なんというか、全然独立して純粋に考えたり表明したりできないトピックだと改めて思うわけです。だからこそ、映画を見ていろいろ、汚い部分や正直な部分を代弁してもらうのって、結構救いになるんじゃないかな。まとめて感じた一番の要素は、「人付き合いにべき論なんてない」ってことで。自由に生きたらいいよ、E君!w
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