ドラゴンタトゥー

2. 「相棒」論な3本

私の仕事は、割と「誰と組むのか」が大事なチームワーク仕事でして、独りでやり切るっていうのが中々難しい&そこにこだわったところであんまりいいことにならない。いいチームが組みたい。組めるだけの実績をつまなきゃ。呼ばれるように頑張ろうとかとか。そこに渦巻く悲喜こもごもがあるわけです。ただその最小単位って、やっぱり「コンビ」なわけで、いかにして自分の至らなさを補い、良きところを拡張する相棒を見つけるかが、すごく大事だなと思う今日この頃。ただその「いい相棒」っていうのがなかなかどうして、組んだ本人ですらぱっとわからないものだったりする。話が合うとか喧嘩がおきないとか、そういうことでもどうやらないらしい。そんな話を大学時代からの友人Sに話したところ、「え、俺はそんとき相棒だと思ってたよ!」と気まずい空気にw すまん、おれは思ったことないw そんな空気からお茶を濁すべく、この3本を見て、「そもそも相棒とはなにか」について一旦考えてみましょう、ね。ね。

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ドラゴンタトゥーの女

2012年公開
監督:デヴィッド・フィンチャー
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”新聞記者ミカエル×天才ハッカーリスベット”のコンビ。
40年前に起こった少女失踪事件を、崖っぷちの記者と天才ハッカーのコンビが追うお話。なかなかスリリングで、王道サスペンスな感じでよかった。「信頼」の生まれ方と形にはいろいろあっていいわけで、この相棒はほんとに変わってるw プロとして仕事に徹することと、人間といて信頼を置くことのバランスのむずかしさが面白い。最後にプレゼントが渡せないのが切なくもあり、この映画がやっぱり「相棒」についての映画だなと思ったシーンでもあります。音楽はトレント・レズナーとアッティカス・ロスの『ソーシャルネットワーク』のコンビ。今回も、ちょーいい仕事してました。音楽はやっぱり劇場で体感して損はないと思います。ルーニー・マーラーがキレキレでステキ。ダニエル・クレイグは、コートの着こなしが渋くてかっくいいね。この相棒からの学びは「分からないことをわからないままで尊重できるか」かな。

バクマン。

2015年公開
監督:大根仁
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”作画担当サイコー×原作担当シュージン”のコンビ。
漫画家になる夢を抱く二人の高校生の熱血青春なお話。文系青春映画の王道って感じで、気持ちよかった。マンガ制作という動きとしては地味になりがちな絵面を、2.5次元的な技法でダイナミックに、ある種アクション映画のような昇華の仕方をしていたのが、さすがって感じで。俳優も実力派ぞろいで、演技見てるだけでも全然飽きない2時間。山田孝之と染谷将太はもはや恐ろしいですね。原作もそういうところありますが、「親」の存在がここまで描かれない青春漫画も最近珍しいなと、ふと感じたかなあ。親と、本人の名前というような、「姓」「血縁」みたいなものが軽いのが、面白い描写でした。それもある種、「先天的にあたえられた絆」ではないその形を描こうとしての結果だったりして?とか。どんなに正反対で、付き合いが浅くても志さえ共にできれば、人は相棒になれるのだよ、っていうメッセージを感じる作品。この相棒からの学びは「いいからとりあえず寝食を共にしてみよ」かな。

最強のふたり

2012年公開
監督:エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ
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”大富豪フィリップ×スラム育ちドリス”のコンビ。
頸髄損傷によって身体が不自由な大富豪と、ゲットー育ちの移民の若者の友情のお話。実話がもとになっているそうで、デリケートなテーマなのに終止、ジョークで笑わせてくれる。カラっとした仕上がりが、ドリスがフィリップにもたらした屈託のない”普通”の日々そのものなのかも知れないすね。障害者だろうと、移民の子だろうと、関係なく、人と人の関わりを取り繕わずに築いていく、ドリスの突破力があっぱれ。いいやつ。伏線の張り方、間接的な背景の匂わせ方など、とてもいい仕事しているいい映画でした。「気兼ねなく思ったことを言い合う」ことが出来る人を人は生涯で何人見つけられるかなあと。いう側といわれる側、言う勇気と受け止める器。それが受け攻めありつつも、凸凹が合わさるのが、気持ちのいい相棒ってことで。この相棒からの学びは「境遇の違う人間にこそ、括目して付き合うべし」かな。


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相棒の本質は、「どんだけ、痛いとこ突いてくれるか」だってあたりなんじゃないかなと。一番、言われたくないけど避けて通れないことを、避けさせずに引っ張りだしてくれるか。相棒というからには、あるミッションを共にしているわけで、そうなると相手にとってもそこから逃げられると困るわけで。目の前の嫌われたくない願望で一緒にミッション失敗じゃ困るのが、親友とか恋人とは大きく違うなあと。そういう意味では、Sはやっぱり相棒じゃないよ!うんw はてさて、またこうして、いい相棒を探す旅が始まるわけです笑 そんな自己弁護こみこみな、今回のTHREE FOR YOUでした。


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