【オン読】17.08月のまとめ
オンライン読書会「オン読」。まとめ更新がすっかり遅くなってしまいましたほんとすいません… 8月のテーマは、問い本【買う5秒前】(草場滋著・宣伝会議)を課題図書にして「人は行動を起こす直前に、どんな欲を抱いているのか」を考えることを通じて、実際に自分たちのプロジェクトの活動に人を引き付けて参加してもらうための具体的なふるまいを考察してみようというものでした。毎年、いろいろな流行りやトレンドが生まれては消え、見たこともない新しいモノコトが次々に登場してくるけれども、それを受け取る側の人間が生物として突然劇的に進化したり、生存本能自体が組み変わったりはしないわけで、「モノコトは変わっているけど、ヒトの欲の根源はそんなに変わらない」のだと思います。同じ欲を満たし続けるために、違うものを求め続けているだけ、的な感じでしょうか。なので、その、人が行動を起こす直前の欲の種類をある程度、普遍性をもってつかんでおくことが出来ると、企画をするときに人がこれで果たして動いてくれるのかどうか、イメージの打率があがるわけです。その教材として今回の課題本はとてもイケている本だとかねてからどこかで取り上げたいなあと思っていたので、こちら、僕も改めて精読いたしました。ではまとめてみます。
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まずは「6つの欲」から徹底的に。
冒頭、人間の欲を6つに大別して紹介しているこの本。
1「必要」Necessary
2「お得」Value
3「好み」Favorite
4「流行」Fashion
5「見栄」Vanity
6「義理」Obligation
ここに当てはまらない7つめの購買動機こそ、大事な時代。
そう、7つ目が大事。6つはいろんなモノコトが満たしに来ているから。それはその通りなんだけど、学生の皆さんはまずはこの「6つ」を死ぬほど考え抜くことからはじめるといいと思います。7つ目も大事なんだけど、それ以前に、世の中でうまくいっている企画はことごとくこの6つがうまく計算されている。なんだかんだいってこの6つの配点はすごく高いわけで、どんなに7つ目をうまいコトオリジナリティをもって刺せたとしても、6つががたがたしているとなかなか人は動いてくれない。自分の考えた企画をこの6つの観点で見ていって、「だれが必要とするんだろう」「だれがお得なんだ」「こういうの誰が好きなの」と、人や、その人の中にある動機の具体的な部分や、それが発動するシチュエーション(いつを”5秒前”にするのか)を考えて、そこに自分の企画を仕掛けるという感じでしょうか。これは、この本がたくさん紹介している事例を見る目を、普段から自分で世の中に対して向けていくということで養われますし、なにより「自分」の中に自分の訓練で養っていかないと、いざ企画しようとしたときにセンスにならないんだと思います。なので、この本で出てくる事例やそこでの考え方も補助線にしつつ、自分の目で養っていくクセ付けができるといいなあと思います。
「満たす欲」と「満たし方」の組み合わせでひねる
そのうえで、7つ目の購買動機を考えるってことなんですが。ここはたくさん事例が書いてあるように、いろいろあっていいし、本に出てきた動機を自分たちの企画にもそのまま当てはめてみたときに何ができるか、コメント参加してくれた人も考えてくれたみたいでよかったかなあと。ひとつ、うまくいきやすいヒントをあげるとしたら、「満たす欲」と「満たし方」の組み合わせを工夫するってことかなあと思います。例えば「物語に惹かれるワタシ」という動機を、これまで満たしてきたのはテレビ番組のドキュメンタリーだったかもしれないけど、AKBはそれまでのアイドルがタブー視してきたプライベートとか下積み苦労話をあけすけに共有することで、「アイドル」という満たし方で新しく満たしたともいえるわけで。「その欲を、その方法で満たす組み合わせはなかった」っていうところにヒントが多いようにとても感じたわけです、改めて。人はみな、バイアスを頭と心に作りながら、効率よく世の中をセンサリングして生きています。おなかが減ったらがっつり食べたいし、リラックスしたいときはマッサージか温泉だし、レジャーと言ったらディズニーランドなわけです。そういうときに「ものすごくレジャーなマッサージ屋ができた!」と言われると、新しく聞こえますよね。バイアスを崩す一つのカギとしてその、「その欲に、その満たし方提案、新しい!」っていう組み合わせを考えてみることから入れると、新しい企画は作りやすいかもなあ。企画は「着眼」が9割だと個人的には思っているのですが、なんの着眼かといえばやっぱり「欲」と「その満たし方」なわけで、ここを楽しみながら、アイデアを考えていけるといいなあと改めて思った次第です。
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そんなわけで、「企画とは、欲の満たし方であり、満たし方は新しくなり続けているかもしれないけど、欲そのものには普遍性がある」っていうのが一言結論だと思います。常に人の欲に関心をもって世の中の成り立ちを観察するクセ付けをすると、いい企画屋になれるのではないかなと思いますが、いかがでしたでしょうか?人は誰しも「自意識」を持っていて、今回この本はそれを特に強調せんがために、「~~~なワタシ」という、すべてをあえて自分に帰着させる書き方にしていたと思います。で、自意識っていうのは他人に悟られたくないものであって、同時にその人の行動を強く決定づけるものであって、だからこそ、観察して読み切れるかどうかで、大きく成否を分けるなあなんて、個人的には思ったところでした。
次回の課題図書は、すぐに発表します!よかったらまた引き続き参加してくださいませ!
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