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美しく断る①

みなさん、こんばんは。
今宵はどんなお話をいたしましょうか?

【60代男性 会社社長 鑑定中の電話】

1時間の鑑定中に、相談者の上記社長の電話が鳴りました。
『どうぞ』とMahouが促し、社長が電話に出ます。

どうやら取引先?のような対応。
スマホから漏れ聞こえる声で会話の内容は丸聞こえです。

脚色しながらあらすじを言うと
どうやらその社長に「わからないことを教えて欲しい」と言うような感じ。
社長も「ちょっとその話自体が何を言っているか分からない」と優しくも歯にきぬ着せぬ言い方。質問をしてくる人自体も、その問題を明確に理解していない様子。

「御社(社長の会社)に資料がありますよね?見せてくれませんか?」と電話の向こうの人が言った瞬間に、空気がピリッとしました。

「資料はもちろん持っています。でもね、当社は御社となんの契約関係もないですし、御社は当社から材料を仕入れている関係性もない。
その状況で、社外費の資料を見せると言うこともおかしな話ですよね?
当社が経験値を積んで得た資料です。御社(専務)とは今後とも良い関係でいたいと思っていますので、ひと通りお話を聞きましたが、通常は話すら聞かない内容です。

何故なら、この資料を御社に提供した段階で、当社の仕事を御社は出来るようになるわけですからね。専務が純粋にわからないから聞きたいと言う気持ちはわかりますし、御社が当社の仕事を取るとは思いませんが、競合相手になるかもしれない危険性を簡単に受け入れられはしません。
どうぞ、当社との取引を前向きにお考えください。その姿勢がありましたら、いくらでもお話を続けることができます。」

そう言って社長は電話を切りました。

『美しい断り方ですね。勉強になります』とMahou。

どうやら、専務といっても先方の会社の後継の息子さんの様子。
若いが故に、言っていい事、言うなら礼儀を重んじることがまだ未熟のようでした。

わからないから聞く、と言うことは決して悪いことではないですが、それは「失礼ではないこと」が前提のお話です。
おそらくその専務も、色々調べてもどこにも資料がない、誰も見地がない、お客様は困っている、そんな状況から、知っているであろう目の前の社長に電話をしてきたようです。

何故なら、社長が苦言を呈した時に、即座にその質問を押し留め、引いたからです。この素直さは評価できると思います。

知的財産の重みはなかなかわかりにくい存在です。
先方の専務が、正しい関係性で学んでいくことを期待します。
この問題はビジネス鑑定だとよくあるお話、明日も続きます。

タロットMahou


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