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みんな違ってみんな良い
五大元素で体の働きを考えてみる
アーユルヴェーダでは、全てのものが五大元素(空、風、火、水、地)からできてと考えるので、人間の体の中もその五大元素の働きで構成されていると考えます。
口から食べ物を入れると、食道を通って胃や腸に運ばれます。
この「運ぶ」や「流す」は、五大元素の中の風の働きになります。
管を通っていくので、そこには空間があります。
この空と風、二つの働きのことをヴァータと言います。
「軽い」や「冷たい」「動き」そして「速い」「乾燥」などの性質を持ってます。
それから、食べ物を消化して栄養や老廃物に変換していくのが火の働きです。
そこに少しの水のエネルギーが加わった働きのことをピッタと言います。
「熱」を起こしたり、「鋭さ」や「軽さ」「液体」や「油」の性質などを持っています。
そして、食べ物が消化されると、栄養を体の各部位に運んでくれたり、老廃物を小腸や大腸に運んでくれるのが、再びヴァータ、主に風のエネルギーになります。
運ばれた栄養を骨や筋肉などに結合させていくのが水と地のエネルギーでカパと言います。
カパは、「重い」「冷たい」「遅い」「油」そして「安定」などの性質を備えています。
五大元素の空、風、火、水、地がそれぞれの得意を活かして、体の中を整えてくれている考えます。
自分の体質を知る
このヴァータ、ピッタ、カパ、三つの働きのことをトリドーシャと言います。
トリとは、サンスクリット語で「3」という意味です。
ドーシャとは、「病素」「増えやすいもの」「濁り」という意味があります。
これは、生命エネルギーのことを指しています。
このトリドーシャが、体内でどれくらいの割合で働いているのかがわかると、ご自分の体質を知ることができます。
ただ、ドーシャとは、増えやすいものや濁り、という意味があることからもわかりますが、その割合は、常に変化しバランスを崩しやすいものです。
自分の周りの全てのものにも五大元素があり、そこから常に五感を通して影響を受けているからです。
アーユルヴェーダは、こうしたエネルギーの変化をとても重要視しています。
変化による乱れをそのままにしておくと、心身に不調が現れてくるからです。
生まれた瞬間の状態が、自分にとって最もバランスの取れた良い状態と言われますが、生まれた直後からいろんな人やものの影響を受けて、絶えず変化しています。
バランスを崩すのは仕方のないことと言えます。
だからこそ、自分が今どんな状態なのか?
観察して、乱れたところに気付いたら、対処していく必要があります。
天気は晴れ、曇り、雨、雪など大まかに分けてありますよね。
同じ晴れの日でも、
カラッと乾いた晴れなのか?じっとり重さのある晴れなのか?風は吹いているのか?
その日によって全く同じということはないはずです。
今日の天気の質はどうだろう?
今日の体の質はどうだろう?
そんな観察から始めてみることがオススメです。