ヨガしよう（アヒムサ編）

ヨガしよう！

と言ったら、

「ヨガってあんまり好きじゃないし」「ちょっと宗教っぽいし」「そもそも体動かすの好きじゃないし」
などのお声も聞こえてきそうですが、そんな方も是非最後までお付き合いください。

私もヨガを始めるまで、なんとなく良さそうだけど、動くの好きじゃないしな、と思って踏み込みきれずにいました。
寝るのが大好きで、どれだけでも寝ていられるし、体を動かす楽しさを知らなかったんです。
みんななんで辛い思いしながら運動するのかな？と本気で思っていました。

ヨガに出会えて、本当によかったなと今では思います。
もっと早くから始めていたらな、と思ったりもしますが、これが私のタイミングだったし、だからこそ良かったこともたくさんあったように思います。
それぞれのタイミングで何かを始めたり、誰かに出会ったりして、人生は変わっていきますね。

ヨガを始めたことで、習慣として体を動かすようになったことはもちろん、運動不足で運動音痴な私でも始められたのは、ヨガの目的が、『競ったり比べたりすることではなかったから』なんだと思います。

ヨガといえば、ダイエット目的に行う方もいますし、柔軟性を高めたいから、運動不足を解消したいから、などいろんな目的で行う人がいらっしゃいますが、私はずっとそういう目的でヨガをしてきたわけではないんです。
私にとっては、『呼吸を整えて、ご機嫌で過ごせるための大切なツール』だったんです。
体というより心に働きかけるものだったんです。
だから、私は今でも私のレッスンを受けてくださる方には、それぞれの目的に沿えるようにしたいと思う気持ちと共に、ヨガマットの上以外の皆さんの生活もより良いものになっていたらいいな、と願いながらレッスンをしています。

ヨガは、体を動かす時間だけのことを言うのではなくて、人生そのものなんですよね。

『どんなふうに生きていきたいのか？』『どんな自分でいたいのか？』

日常生活の中でも、アーサナ（ポーズ）をとりながらも、自分の心と体に向き合う練習なのだと思います。

アヒムサ（非暴力）

ヨガには八支則と言って、ヨガをしていく上での教えがあります。
その中に、日常生活の中でやってはいけないこと、やった方がいいことがまとめられています。

やってはいけないことの一つが、アヒムサと言って非暴力と訳されます。
『どんな生物にも、どんな場所であっても、どんな時でも、どんな状況であっても、身体や精神に対する暴力を避けること』とされています。
身体はもちろん、言葉でも、思考でも暴力をしないようにしていきましょうということです。
言葉の暴力って今は特にSNSで取り沙汰されたりしますよね。
全く知らない人たちから集中的に言葉の暴力を浴びせられてしまうなんて、以前は考えられないことでした。

自分にそのつもりがなくても、言葉で誰かを傷つけてしまうこともあると思いますし、言葉には本当に気をつけていきたいです。

思考に関しては、わからないからいいんじゃないかと思いませんか？
私は正直関係ないんじゃないかと最初は思いました。
でも全ては思考からはじまっているんですよね。

みんな見たい世界を見ているし、思考が目の前の世界を作っています。

「思考に気をつけなさい」から始まるマザーテレサの有名な言葉がありますけど、思考が運命になるんですよね。
言葉も思考から始まっていますし、もっとも気をつけないといけない所なのだと気付きました。

そしてそれら全てを自分に対しても行ってはいけないんです。
自分にも暴力を振るってはいけません。

他人はもちろん、自分を傷つけていないですか？許せていますか？

ぜひ、ご自分にも優しくしてあげてください。

人間が生きていくためには、多くの命をいただかないといけません。
動物も植物も。
だから完全にアヒムサをするのって難しいと思います。
だからこそ、必要以上に傷つけないこと、傷つけてしまっている分、自分にできることを見つけていくことが大切です。

ここ最近の私で考えてみると、ちょっと頑張りすぎているような気がしています。
頑張るのって悪いことではないですけど、それが負担になりすぎていると、自分を傷つけていることもありますよね。
そして疲れが溜まってくると、お腹が空いていないのに空いているような錯覚が起きてきませんか？
それで必要以上に食べすぎて、食べ物に対しても自分の体に対しても無駄に傷つけてしまっているな、と思います。
それに、疲れていると余裕がなくなって、言葉がいつもよりそっけなくなったりするんですよね。
そういう自分になっていることに気づいて、もう少し余白が必要だな、と感じています。

後は、新しいことにチャレンジするときに、うまくいくかな？って不安になったりしませんか？
それをワクワク楽しめていたらいいんですけど、未来に対する不安を抱え込むのも自分を傷つけることなんだと最近気づきました。
過去への後悔も同じだと思います。

自分と向き合う時間＝ヨガ
と考えれば、きっと誰でもヨガを楽しんでいけると思っています。