「ハマる」は自然発生しない
※きのこは苦手ですが、「音楽」で検索したら上のほうに出てきたキノコのイラストがかわいかったので、使わせていただきました。
のめりこむ。
俗にいう「ハマる」という現象に、わたしは出会ったことがない。
先日、そのことを友人に打ち明けたところ、その原因であろうことがわかったので、言語化しておこう。
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わかったことの前に、このnoteでいう「ハマる」とはどういうことか書いておく必要がある。
たとえば、あるバンドにハマったとき。
そのバンドの曲だけを聞きまくり、やがて歌詞を覚え、バンドメンバーについて知りたくなり調べる。ライブに行ったり、グッズを集めたり。外部の人から提供された曲なら、提供者にも興味がわくのだろうか。
もう少し抽象的に表すと、仕事や勉強以外の時間は常にそのことでいっぱいで、夢中になっている状態。
「なにかにハマっている」ことはこの状態であることと等しいとわたしは考える。
だとすると、わたしは今までになにかにハマったことはない。
好きな歌手や作家はと聞かれて全く答えられないわけではない。流行に疎いと自覚しつつ、少しはついていこうとし、その結果好きになった曲はいくつもある。
大流行した曲をきっかけにそのアーティストにハマったんだよね、というのはよくある話だが、わたしはそうはならない。
好きな曲はあるんだけどねー、その人の多くの曲が好きってわけではないからライブに行くほどではないんだよね、てな感じで、わたしはそこで終わってしまう。
友人に「ハマったことがない」というと、彼女は自分が中学から高校にかけてあるアーティストのドハマりしていたときのことを話してくれた。
バンドなのだが、シングル50曲ほど、それぞれのカップリング曲、歌詞、作詞作曲者まですべて言えたらしい。CDをたくさん買い、歌い手のことについて調べ、そのアーティストについてならなんでも知っている状態になっていたようだ。ただし、彼女はそのバンドの特に音楽にハマっていたため、バンドの人の顔は全く覚えていなかったという。
そんな経験のある彼女がいうには、
「ハマる」ためには、乗り越えるべき壁があるらしい。
ある曲をきっかけに、そのアーティストのことを知る。
他の曲を聞いてみる。
当然、そのアーティストのすべての曲がはじめから自分の好みであることはなかなかなく、途中で再生するのをやめてしまいたい曲もあるだろう。
しかしそこで、やめてしまわずに幾度も聞いてみるというのだ。
すると、だんだん慣れが生じてきて、そのうち
「わたしは、このアーティストの曲ならなんでも好き!」
という錯覚に陥るそうだ。
そうかハマっている状態って錯覚なんだ、という発見がまずあった。
たしかに、ハマっている状態はいつかは終わる(そうでない場合もあるかも?)し、終わらないにしても、ずっとその熱量で居続けられるとは限らない。ハマっている状態が終わったとき、ああ、あのときはすごくハマっていたな、とあとから気づくものであって、その状態のときに本当にハマっている状態なのか断言はできないんではないか。
そして一番の発見、ハマるためには少しの努力が必要だということ。
自然発生しないということ。
たとえばジャニーズのにわかのファンと本物のファンはここが違うのだと思う。
ここで思考が止まってはもったいない。「なぜ」ハマるは自然発生しないのだろうか。
ハマることは一種、恋愛と似通ったところがある、と考えた。
恋愛は相手を知ることから始まる。
なにかをきっかけに相手のことが気になり、もっと知りたいと思うようになる。
時間の共有を重ねて相手を知っていく。もちろん相手のいい部分も悪い部分もだ。
その過程で好意が生まれる。(残念ながら逆の方向へ進む場合もあるかもしれないが。)
ハマるということは、相手(ハマる対象)を知り、そして改めて好きだと思うことで初めて生まれるものではないだろうか。
ここでの悪い部分というのは、自分と最初は相容れないものと考えればよいだろう。
ハマりたいなら、まずは知ること、知るという行動が必要なんだ。
ありがとうございます! 明日の朝ごはんはちょっと豪華になります!