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エア札ドの世界で

コロナウイルスの影響で無観客のオープン戦が始まっている。
中継を見ていても打球音やベンチの声、あるいはマウンドの声(キャッチャーに対して「取れよ!」という宮西投手の声など)が響いて新鮮だった。いつもと違うけれどなかなかおもしろい。

そんな中でTwitterでは「#エア札ド」というハッシュタグができて、エア観戦するファンが出てきた。
朝から札ドに向かう(ということにする)人、昨シーズンに撮った写真を使って「今日はここから」と観戦場所のツイートをする人、道外から「遠征」してくる人……
無観客試合だからこそ、空想の世界で楽しもうとするファンの試みだったのだが、ファイターズ公式Twitterでもこのハッシュタグが使用されていたので、公式公認のお遊びということになるのだろうか。
いつもの札幌ドームを楽しもうとするみんなの声が「#エア札ド」のハッシュタグに集まる。「無観客試合なのになんで札ド?」というリプにも丁寧に「エア観戦です」と応える。
無観客試合だけれど、本当はそこにいないけれど、みんなで一緒に応援している感覚が生まれた。

そして3月3日火曜日。ファイターズ対ジャイアンツの試合も札幌ドームで、無観客で行われた。
試合を振り返ってみるとファイターズはルーキー登板デーとなっていて、河野(ドラ1)→鈴木(ドラ4)→望月(ドラ5)→長谷川(育成ドラ3)→立野(ドラ2)と8回までルーキーで繋いだ。
9回の公文投手を含めて無失点の好投。ルーキー梅林捕手も途中からマスクをかぶり、盗塁を刺して強肩を見せつけた。今回試合に出たルーキーは大卒、社会人、BCリーグ出身者で、即戦力として期待される選手ばかりだったけれど、彼らにとってこれ以上ない素晴らしいデビュー戦だった。
本当にこれは現地で見たかった。将来のファイターズを支える投手陣の活躍を現地で、生で応援したかった。
昨年ジャイアンツに入団した旭大高出身の沼田投手も、本来なら家族や親戚や友人たちに札幌ドームでの登板を見てもらえるはずだっただろうに、本当に残念だ。

そんなとても嬉しく少し悔しい試合だった昨日も、「#エア札ド」のハッシュタグでは試合前から楽しいツイートが増えていた。
が、試合中、3回になぜか「なんでチャンスなのにチャンテ(チャンステーマ)をやらないの?」というツイートがいくつも出てきた。
「3回でもワンナウト2.3塁ならチャンテやろうよ」
「3回でチャンテが来ると思うな…」
「なんでチャンテやらないの???ジンギスカンでもいいからさ」

「#エア札ド」は空想の世界に対するツイート。空想の世界であれば、何回であろうとレフトスタンドはチャンテで最高潮に盛り上がってもいいはずなのだ。なのに「なぜチャンスなのにチャンテをやらないのか」という話題で盛り上がるTwitter。
普段、応援団が序盤でチャンテをやらないことに対する不満が、このエア札ドのハッシュタグで漏れ出てしまったのだ。
チャンスに大きな声援で選手を後押ししたい私たちは、初回だろうが2回だろうがチャンテが歌いたい。序盤にしか得点圏にランナーが出ずにチャンテを歌えなかった試合もある。勝ったけど「チャンテ歌いたかった」という日もあったし、負けて「せめてチャンテを歌いたかった」という日もあった。

おそらく応援団でもチャンステーマを発動する基準を設けているのだろう。観客が少ない平日の序盤は、もしかしたらチャンテを控えているのかもしれない。後半に盛り上がりを演出するためにあえて序盤は控えているのかもしれない。
それでも、私たちはチャンスにチャンテが歌いたい。隙あらばチャンテをやってほしい。

闘将会(ファイターズ私設応援団)のみなさん、今シーズンはぜひとも序盤からチャンテを!!チャンスには出し惜しみせずチャンテを!!
どうぞよろしくお願いします。

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