検査は続くよどこまでも②
恐怖の針生検を終え、ジンジンする胸をかばいながら診察用の椅子に座ると先生の説明が。
今回のマンモグラフィで右胸にも怪しい影があるとの事。小さな石灰化した影が点在してあるらしいのです。これはエコー検査では映らずマンモでしか分からないものだそうです。
腫瘍は左胸だけだと思っていた私には、先生から伝えられた言葉が最初まったく理解できませんでした。右胸?石灰化?影?は?そんな感じです。来日した外国人が始めて日本語を耳にしたくらいの理解力です。たぶん脳がフリーズしたんでしょうね。少しして正気に戻ってきました。とにかく右胸もヤバいって事だけは把握しました。
先生の説明は続きます。この石灰化した影が悪性だった場合、こちらも手術が必要になるが、まずは見極める必要があるので、改めて検査しましょうとの事。ただこれは特殊な検査らしく、検査自体が月に一日しか行われていないようで、翌月の予約となりました。約4週間後です。その頃は子宮がんの手術も終えて、仕事復帰してる頃かなぁと思いながら先生の話に耳を傾けていました。
説明は続きます。これで両胸に悪性腫瘍が認められ場合、遺伝性乳癌卵巣癌症候群との診断が下され、遺伝学的な検査をしたほうがいいとの事。
母方はいわゆる癌家系ですが、乳がんや卵巣がんになった人は誰もいませんでした。なので遺伝性、、、といわれてもピンと来ませんでしたが深刻な事態なのは感じます。それに関しての説明のプリントや冊子などを受け取り診察室を出ました。清算用紙と次回の予約表を待っていると、看護師さんから声がかかります。
補足の説明をしてくれるとのことで、隣の個室に入りました。先生からの説明での不明な点の有無の確認と石灰化の影が悪性だった場合の治療内容をざっと説明してくれました。左のように1つの塊としての腫瘍とは違い点在している場合、その範囲が広がっていると手術前にホルモン療法または抗がん剤を受ける必要があるかもしれないとの事でした。しかも手術は全摘手術になるそうです。
子宮がんが見つかって、最悪だと思い、CTで左胸にしこりが見つかり、ああ最悪と再び思い。右胸も怪しいと聞かされ、また最悪を味わってさすがにここまでかと思ったら、全摘手術の可能性と言われ最最最悪に。最悪沼です。どん底って感じでしょうか。でも沼だからこれが本当の底とは限らない。
最悪だと思いながらも、相変わらず感情は「無」です。こんなに人って無感情になれるんですね。
でも後になってこれも私自身が心を守るための事なのだと気づかされます。そう心の奥底で私は必死だったのです。 続く
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