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感情という私

少し前から続けている野菜スープ。美味しいし、野菜をぶった切って(言い方)煮込むだけなので簡単で続けられています。

ある日のこと、野菜スープを通常20分程火にかけるのですが、すっかり忘れていて気が付いたら1時間以上たっていました。気が付いて慌てて火を止めましたが万事休す。カラカラに水分の抜けた野菜のみになっていました。

その瞬間腹の底から怒りがわいてきました。自分でもびっくりするくらいのムカつき具合。
考える間もなく鍋をつかみ流しに放り出しカスカスの野菜も処分(ごめんね野菜たち)
眠っていた怒りの感情が噴き出した瞬間でした。
自分でもこんなに怒りがこみ上げるとは思っていなかったのですが、とにかく怒れてその後泣けてきました。怒り泣きです。これは単にスープ作りに失敗した為の感情だけじゃない気がしました。

そうか私は怒りたかったんだ。がんが発覚してから感情に蓋をして淡々と苦しい現実を受け入れてきました。悲しくて泣いたこともありましたが、まず最初に怒りたかった。なんで私ががんにならなきゃいけないのよ!そりゃ褒められるような生き方はしてないかもだけど、それなりに真面目に働いて、迷惑かけないように生きてきたのに何でこんな目に合わないといけないの!とただただ怒りたかった。理屈ではなく子供が駄々をこねるように手足をバタバタさせながら怒りたかった。その感情の開放のきっかけがスープの失敗だったようです。

多分他にもたくさんの感情が心の奥に溜まっていて、密かに開放される時を待っているような気がします。
感情は喜怒哀楽だけじゃない。その隙間にあるいろんな感情が潜んでいる気がします。
多分普通に生活していたら、感じることもない細かい感情の粒を私はがんになって味わっているのかもしれません。

そんな感情、味わわなくて済むなら済ませたかった。今は感情がジェットコースターのようにアップダウンします。ちょっとのことで喜んで、ちょっとことで落ち込んで、むかついて、頑張ってるけどトンと押されたら、いとも簡単に涙が出てくる。そんな毎日の繰り返しです。

涙だって色々です。嬉し涙、絶望の涙、ムカついた涙。喜びも手放しでは喜べない時もあれば、ホッとした喜びもある。もう感情の百貨店、いやドンキホーテ状態です。

今人生で一番人間味のある時間を味わっている気がします。生きた心地がしない時もあるけど、経験値は爆上がりです。
この色んな感情も全て私。無視せず受け止めていこうと思います。

贅沢いうと、そんな私を丸ごと受け止めてくれる人がいてくれると良いんですけどねー。
クリスマスも近くなってきたし、サンタさんに頼んでみるか。

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