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【7】step30 (改善を意識しながら)サービスのこだわるべき詳細を決めていこう

この話は、ささいなキッカケから、「新しいこと」をはじめることになった高校生の2人組が、経営者や起業家、ユーザーの声をききながら、サービスをつくりあげていく物語です。

■ 主な登場人物

■ 前回までの配信

第7章 実行できるか「試す」
「ありがとう」と言ってもらえるものを提供できるか試してみよう!

step30 (改善を意識しながら)サービスのこだわるべき詳細を決めていこう

最近は、季節の感覚がおかしい。夏なのに涼しく、冬なのに暖かい。そんな天候もたくさん存在している。衣替え、ってなくなってしまうのかもしれない。

詩は駅の脇道にある小道を少しだけ歩いたところにあるカフェへ向かっていた。意外と強い日差しを避けるように日傘をさしながらてくてくと歩いている。
爽太と健人は補講で学校に登校していた。

詩「あ、葵さん!お待たせしてしまってごめんなさい!」
葵「おはよう、詩ちゃん。私もちょうど今到着したところなのよ。今日、日差しが強いよね。」

生まれ育った町なのに、詩はこの日葵が紹介してくれたカフェを知らなかったので、お店に入ると物珍しそうにキョロキョロと辺りを見回した。

詩「すごい素敵なお店ですね。コーヒーのいい香り。落ち着いたお店で、こんな個室のお部屋もあるんですね。」

葵「ちょっと集中して話し合うにはいい場所でしょう。私の友達が長く働いてたお店なの。今でもマスターと仲良くさせてもらっていて。」

カランコロン、と入り口のドアが開く音がした。オシャレなカフェは入り口のドアが空く音だけでも心が踊ったりする。舜が入ってきた。

舜「おはようございます!遅くなってごめんなさい。ちょっと寝坊しちゃって‥」

葵「舜くん、おはよう〜。こっちは大丈夫だけど、ちょっと目の下にクマが見えるんじゃない?休んでね。」

舜「いやーーー。ついつい夜までアプリの修正をしてたら、寝られなくなっちゃって‥」
詩「舜くん、ありがとう。今日はサービスの細かいところを決めていく日だよね。」

葵「そうそう。今日はテスト販売もないしね。サービスを一旦、製品として修正して良いものにできるように、ロゴやカップなんかの大さとかも、いろいろと決めていきましょう。あと、受け渡しの流れなど前回のお客様の声としていただいたありがたいアドバイスをもとに修正していきましょう、って話でいいかしら?」

そこから約1時間半、これまでサービステストで受け取ったフィードバック(こうしたほうがいいかも?というアドバイス)をもとに三人は修正点からアイデアを出していった。

舜はPCを出しながら、3人で話し合って修正しようとしているアイデアをそのままデザインとして修正していく。そして葵が仲良くしているマスターのご厚意で印刷までさせてもらった。
Wi-Fiも完備されていて、葵がこのカフェを指定した理由に詩は納得していた。

詩「今のジューサーで一回の仕込みでできる量はこのくらいの量ね。もうちょっと作れる気もするけど・・」

葵「このジュースは鮮度が売りだし、あえて限定するのも大切だと思うわ。1日の仕込みは全部で6回くらいがちょうどいいんじゃないかしら。」

詩「本当ですね!確かに。適度に、適度に。私もそういうポリシーのお店が好きだなって今気づきました。」

トントン、と扉を叩く音がしてマスターが入ってきた。

マスター「やぁ、飲み物のおかわりはいるかい?」

舜「あ、じゃあ!僕、アイスコーヒーで!」
詩「ありがとうございます!ランチもコーヒーもすごく美味しいです。」

葵「もうあっという間に14時。4時間もお店にいたのね。みんなお疲れ様。今日はこのくらいにしましょう。マスター、ケーキセットのメニューをお願いします。」

マスター「お、ちょうど焼きたてのアップルパイができたところだよ。」

舜・詩「「アップルパイ!!」」
詩「わ〜〜〜本当、シナモンの香りがするわ。」

葵「明日もまたサービスをテストできる試飲会が予定されていたわよね。今日の議論を通して、お客さんの反応がどう変化するのか、楽しみね!まずは一旦、我々は甘いもので疲れをとりましょう。」

舜と詩は葵に手伝ってもらい、改善したサービスの内容を書き込んだメモなどの写真と共にメッセージで爽太と健人に共有した。
アップルパイを食べながらマスターにもサービスの話をすると、なんと明日は定休日ということで常連にも声をかけて仲の良い周りの人たちと共にジュースを試飲しに来てくれることになった。


ーこのステップのポイントー
・何度か顧客を通してのテストや一連の流れを試してみると顧客から改善の声をもらえたり自分たちで改善の方向性を見つけられることがあります。
・全ての顧客の声を聞いていると元々もっている強さや良さを失う可能性もあります。丁寧に声を聞きつつも、自分たちのこだわりや届けたい価値をブラさないように進める必要があります。
・目の前のことに集中してしまうと近視眼的で視野の狭い状態が続いてしまうことがあります。一旦、視野を広く保ち、俯瞰して物事が見れる状態を作れる環境と時間を設けましょう。

ー考えてみようー
・自分たちが試してみたものを、何度も繰り返して検証し少しずつ改善を重ねて品質をあげていった経験はありますか?それはどんな体験だったでしょうか?
・目の前で集中して実施したことについて一度立ち止まり俯瞰して見てみたことはありますか?


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