〈はじめに〉 私が「-高校生がサービスをつくり上げる物語-新しいことのはじめかた」をお伝えする理由
起業をしようと思った時、何から始めればいいのかと悩む人は多いと思います。それもそのはず。「起業準備」と一言で言っても、やらなければいけないこと、持っておかなければいけない観点が多すぎるのが現状です。
そこで、これまで起業支援や若者支援を行ってきた経験から、起業に必要な要素をシンプルに三つにまとめてみました。
これは、起業に関わらず、何か新しいことをしたい、新しいことを始めたいと思った時にも共通して必要になる大切なポイントです。
その三つの要素とは、ずばり「志」「新しいことのはじめかた」「お金」です。
では、具体的に一つずつ説明していきましょう。
志はどこかで入ってしまう「スイッチ」のようなもの
まず志について。「志」とは、何か物事を始めるための原動力、つまりスイッチと例えることができます。
しかし、誤解してしまいがちなのですが、このスイッチは自分が入れたい時にいつでも入れられるわけではない、ということ。そのため、いくら「志が大事ですよ。志を持って生きていきましょう!」と誰かに言われても自力で入れることはなかなか難しいのです。スマホで気軽に動画をみるくらい簡単に志のスイッチを入れらたら楽なんですが、どちらかと言うと、何か刺激を受けた時、外からもらう何か強いもの(外部要因といいます。)によって自動的に「入ってしまう」ものなのです。
志のスイッチが入るとはいったいどういうことなんでしょうか。もう少しイメージがしやすいように補足をしますと、もし自分の心に強いやりたいことが出来たとしたら、志のスイッチが入ってしまった時には、きっとあなたは寝ても覚めてもそのことを考えてしまう、気づいたらそのことばかり考えている、そんな状態になるでしょう。
またこちらも誤解しがちなのですが、志とは、「立派な世界を作るぞ!」とか「地球を救うぞ!」など壮大なものを思い浮かべる人も多いと思います。でも実は、大きさそのものはあまり関係ありません。些細なことでも良いんです。周りの人から見たときに「そんなことは当たり前だ」「何を普通のことに熱くなってるの?」と言われたとしても、大事なのは、自分にとって大切にしたい想いであること。そういう想いがあれば充分に「志」と言えるでしょう。
また、志のスイッチが入るタイミングは人それぞれです。早い人もいれば、遅い人もいます。なので、8歳だったり20歳だったり、はたまた65歳かもしれない。そう理解していただけると、若いうちに無理に志を探したり、「自分には志がないから新しいことはできないんじゃないか」と思ったりして悩んだりせずにいられるのではないかと思います。
ただ、もし志のスイッチが入らず悩んでいる方がいるとしたら、「志のスイッチが入りやすい環境」というものは作ることはできます。
それは、志のスイッチが入ってる人の近くにいること。または、そういうスイッチが入ることを求めている人と一緒にいること。そして、その人たちととにかく沢山語ることです。誰かの志に触れる。志になっていなくても、いろんな想いを聞き、考える。そして自分の考えを話すことで、志のスイッチが入るための感度が高くなり、いつか「これが私の志かもしれない!」という想いに出会える確率が上がります。
新しいことのはじめ方は練習が必要
次に、「新しいことはじめかた」です。
実はこの「新しいことはじめかた」こそが一番私が丁寧にお伝えしたい内容です。「新しいことのはじめかた」とは、その名の通り、何か新しく物事を始めようと思った時の方法のことを指します。
多くの人たちは、志のスイッチが入ってから、新しいことのはじめかたの練習を始めます。しかし、実はそれでは遅いんです。例えば、スポーツで考えてみてください。小学生の子が「プロのサッカー選手になりたい!」と思っても、10年ぐらいは修行が必要ですよね。素質だけではなく、プロになるための鍛錬・訓練が必要になります。
同じように「新しいことのはじめかた」にも練習が必要で、自分なりのやり方を確立しておく必要があります。
また、大人になって生活もしなければいけない中で、その練習を積み重ね、ビジネスを確立させるところまで持っていくというのは、時間もかかるし、実際かなり過酷なものです。
だからこそ、志のスイッチが入る前から、どんなテーマでもいいので、たくさんこの新しいことのはじめかたを練習をしてノウハウやコツを貯めておいてほしいのです。
例えば、文化祭でフランクフルトを売ってみるとか、自分でラジオ配信をしてみるとか、興味のある社会課題のボランティアに参加してみるなど、その内容は、どんなことでも構いません。その積み重ねが、将来人生を懸けて何かチャレンジしたいと思った時の成功確率を上げてくれます。
どれだけのお金を得たいのかを明確に
最後に「お金」の話です。これは、自分がどの程度のお金を稼ぎたいかによって次の一歩が変わってきます。
ボランティアでやっていくんだ、生活基盤は別にあって自分の余力の範疇でやっていくんだ、ということであればお金はそんなにたくさん必要ありません。そのため、考えるのはあまり難しくないでしょう。
でももし、自分のやりたいことで充分大きな「お金を稼ぎたい」と思うのであれば、お金について学習をする必要があります。さらに、稼ぎたい金額も、自分が生活できる分だけでいいのか、100億稼いで社会的な経済的なインパクトを残したいのか、でも大きく異なってきます。
100億というお金を稼ぎたいのであれば、今度ははじめのお金、いわゆる「投資」についての勉強も必要になってきます。
今の時代は、多様な生き方が認められています。ビジネスをやるからには絶対にたくさん稼げた方がいい、という一面ばかりではありませんので、自分が志を持つものでどれくらいお金を得たいのかについてまずは明確にしてみてください。
新しいことのはじめかたの積み重ねがチャレンジを成功へと導く
三つの要素についてすこし具体的にお話ししてきました。
まとめると、「志」「新しいことのはじめかた」「お金」この三つが全部揃えば、起業が失敗する可能性は格段に下がっていくと思っています。
どれも同等に重要ですが、私は「新しいことのはじめかた」について、特に力を入れてお伝えするようにしています。
実は、志のスイッチが入り、お金の方向性は決めたのに、新しいことのはじめかたを練習してなかったばっかりにうまく進まず撤退、停滞してしまうというケースがビジネスの世界では、本当に多いのです。
想いも夢もあって前向きに進もうとしていて、周りの人も応援している、でもうまくいかない。そんな歯がゆい思いをする若い人たちをたくさん見てきました。その場合、ほとんどがこの新しいことのはじめかたの練習不足が原因でした。
でも一方で、この三つのうち、習熟をしてうまくなっていける可能性が最も高いのも、「新しいことのはじめかた」なんです。
だからこそ、志のスイッチが入っておらず、お金のことをまだ考えていなくても、新しいことのはじめかたを練習しておいてほしいのです。
じゃあ具体的に「新しいことのはじめかた」って何?練習ってどうすればいいの?と思う人もいるでしょう。
そこで、学生の方でも気軽に「新しいことのはじめかた」に興味を持ち、触れていただけるよう、ある高校生の日常を題材に、「新しいことのはじめかたをお伝えするストーリー」を配信しています。
ひょんなことからミックスジュースを売ってみようと思い立った主人公の高校生二人。しかし、この二人には志のスイッチは入っていません。
つまり、志のスイッチがまだ入っていない人でも共感できる内容になっていますし、どんな方でも楽しみながら感覚的に何かをはじめるときの大事なポイントを知っていただけると思います。
ぜひ、二人の行動と重ね合わせ、自分だったらどうするだろうかと考えながら、この物語を読んでいただくとより面白いのではないか思います。
また、皆さんに新しいことのはじめかたのやり方や思考法をお渡しし、練習していただくことを目的にしているため、物語と並行して主人公たちの行動の意図の解説も適宜配信していきます。
最後に。
人生の中で人生を懸けてチャレンジしたいと思えるような志のスイッチが入る瞬間が誰でも一度か二度、やってくるのではないかと感じています。
あなたのスイッチが入った時に、新しいことのはじめかたが身についていれば、自信を持って挑戦できると断言します。もし仮に、そのチャレンジが起業や創業ではなくても社会で生きていく中で必ず助けになってくれます。
ぜひ若いうちから楽しんで新しいことのはじめかたの練習をして頂ければと思います。
皆さんが新しいことをはじめるそのチャレンジを、私は心から応援しています。
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